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8月6日の日本の昔話
  
  
  
  らんまのろくろっくび
 むかしむかし、あるさむらいがたびにでたあと、こころぼそくなったおくさんが、おてつだいさんをたのみました。
   たいへんよくはたらくおてつだいさんで、料理にせんたくに買いものに、子どもたちのせわもしてくれます。
   あるばんのこと。
   おくさんは、となりのざしきからきこえてくる、おてつだいさんのくるしそうなこえに、目をさましました。
  「どうしたのかしら?」
   おくさんは小さなあかりを手に、となりのざしきをのぞいてみてビックリ。
   おてつだいさんは、小さなびょうぶのむこうにねむっていましたが、なんとそのくびがスーッとのびているのです。
   小さなあかりをたよりに、のびたくびすじをたどってみると、なんと、くびがのびにのびて、らんま(天井としょうじのしきいの間にある、かん気や明かり取りの空間)に、のっているではありませんか。
   そして、そのままスヤスヤとねむっているのです。
  「ひいーっ! ろくろっくび(→詳細)!」
   おくさんはあまりのことに、おもわず気をうしなってしまいました。
   しばらくしておくさんは、おてつだいさんにだきおこされましたが、そのときにはもう、くびはもとにもどっていました。
   でも、おくさんはまもなく、このおてつだいさんにひまをだした(やめてもらうこと)ということです。
おしまい