|
 |
福娘童話集 >えとのおはなし > へびのお話し >蛇の天上のぼり
へびのお話し 第 11話

蛇の天上のぼり
三重県の民話 → 三重県情報
※本作品は、読者からの投稿作品です。 投稿希望は、メールをお送りください。→連絡先
投稿者 「あーる」 【眠れる朗読】
むかしむかし、あるところに、それはそれは大きなカキの木がありました。
そのカキの木には、カキの実がすずなりになっています。
村人たちは、ここを通るたびに見あげては
「たくさんのカキの実がなっているなあ」
と、いっていました。
ある日の事、急にあらしになって空が暗くなり、バラバラと大つぶの雨が降って来ました。
ところが鈴なりになっているカキが、一つとして落ちません。
村人たちが不思議に思っていると、急にザァーザァーと、草の上をはうような音が聞えてきました。
しばらくすると天から大蛇(だいじゃ)が下りて来て、すずなりになっていた柿の実を一つ、また一つと食べて、とうとうみんな食べてしまったのです。
そこで村人たちは、
「大蛇が、柿の実をみんな食ってしもうた」
と、口ぐちにいっていました。
しかし、さすがの大蛇もあまりにも食いすぎたのか、おなかをゴロゴロならしながら天へとのぼっていきました。
やがて、ふたたび大つぶの雨が降って来ると、村人たちは、
「くんくん。おや、この雨は、どうも柿くさいぞ」
と、いって逃げだしました。
大蛇が天にのぼって行くときに、おしっこをしていったという事です。
おしまい

|
 |
|