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皿々雪(さらさらゆき)
石川県の民話 → 石川県情報
むかしむかし、あるところに、実子(じっし)と継子(ままこ)の姉妹がいました。
実子のほうは毎日、きれいに着飾って遊んでばかりいました。
でも継子の方は、ろくに食べさせてもらえず、きたない身なりで毎日仕事ばかりさせられていました。
ある冬の、寒い日の事です。
継子は川で、ダイコンを洗っていました。
川の水は冷たく、手が赤くはれあがるほどのつらさです。
その時、お殿さまが通りかかって、継子に声をかけました。
「おお、娘。この寒いのによくがんばっておるのう。今日、庄屋(しょうや)の家に村の者をよんで歌会(うたかい)をするが、お前もきてみてはどうじゃ?」
継子は、歌などよんだことがありません。
こまってしまいましたが、せっかくお殿さまが声をかけてくれたので、しかたなく庄屋の家に行きました。
さて、いよいよ歌よみがはじまりました。
大きな盤(ばん)の上に置いた皿の中に、たくさんの塩をもり、その中に松をうえたものを題にして、歌をよむことになりました。
一番最初に、実子が歌をよみました。
♪盤の上に皿がある
♪皿の上に塩がある
♪塩の上に松がある
つまらない歌なので、お殿さまは気にもとめませんでした。
しばらくして、継子が歌をよみました。
♪ばんさらや
♪やさらの上に雪降って
♪雪を根として育つ松かや
お殿さまはその歌が大変気に入って、継子をいい歌よみにしてやろうと、お城へ連れて帰りました。
その後、継子は出世して、しあわせになったという事です。
おしまい
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