ささずんと昔話講座 第13話【食わず女房】 読者の「NS.MOOOON」さんの投稿作品。 アニメサイズ Max 2560×1440 youtubeの設定で変更可能
イラスト 01 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 むかしむかし、あるところに、とてもけちな男が住んでいて、いつもこう言っていました。 イラスト 02 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 「ああ、仕事は良くするが、ご飯んを食べない嫁さんが欲しいなあ」 イラスト 03 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 「わたしはごはんを食べずに、仕事ばかりする女です。どうか、嫁にしてくださいな」 イラスト 04 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 と、言うではありませんか。 イラスト 05 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 それを聞いた男は大喜びで、女を嫁にしました。 イラスト 06 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 男の嫁になった女は、とても良く働きます。 イラスト 07 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 「ご飯は食べないし、良く仕事をするし、本当にいい嫁じゃ」 イラスト 08 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 「おや? おかしいな。嫁は、ご飯んを食べないはずだし」 イラスト 09 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 「いいえ。わたしは知りませんよ」 イラスト 10 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 あんまり変なので、 イラスト 11 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 次の朝、男は仕事に行くふりをして、家の天井に隠れて見張っていました。 イラスト 12 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 すると嫁は倉(くら)から米を一俵かついで来て、 イラスト 13 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 どこからか持って来た大きなカマで一度にご飯を炊きあげました。 イラスト 14 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 そして塩を一升(いっしょう→1.8リットル)用意すると、 イラスト 15 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 おにぎりを次々と作って山の様に積み上げたのです。 イラスト 16 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 男が不思議そうに見ていると、嫁は頭の髪の毛をほぐし始め、頭のてっぺんの髪の毛をかきわけました。 イラスト 17 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 すると頭のてっぺんがザックリと割れて、大きな口が開いたのです。 イラスト 18 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 嫁はその口へ、おにぎりをポイポイポイポイと投げ込んで、 イラスト 19 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 米一俵分のおにぎりを全部食べてしまいました。 イラスト 20 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 (あわわわわ。おらの嫁は、化物だ!) イラスト 21 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 怖くなった男はブルブルと震えましたが、嫁に気づかれない様に天井から降りると、仕事から帰った様な顔をして家の戸を叩きました。 イラスト 22 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 と、笑顔で男を出迎えました。 イラスト 23 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 「嫁よ。 イラスト 24 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 でもおみやげに、風呂おけとなわをもらいたいのです」 イラスト 25 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 男が言われた物を用意すると、嫁さんが言いました。 イラスト 26 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 「すみませんが、この風呂おけの底に穴が開いていないか、見てもらえませんか?」 イラスト 27 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 男が風呂おけの中に入ると、 イラスト 28 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 イラスト 29 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 嫁は風呂おけになわをかけて男を入れたままかつぎ上げました。 イラスト 30 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 ビックリした男が嫁の顔を見てみると、 イラスト 31 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 嫁は何と鬼婆(おにばば)に変わっていたのです。 イラスト 32 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 鬼婆は男を風呂おけごとかついだまま、 イラスト 33 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 馬よりもはやくかけ出して山へと入って行きました。 イラスト 30 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 (こ、このままじゃあ、殺される! じゃが、どうしたらいい?) イラスト 34 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 男はどうやって逃げようかと考えていると、鬼婆が木に寄りかかって一休みしたのです。 イラスト 35 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 男はその木の枝につかまって、何とか逃げ出す事が出来ました。 イラスト 36 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 「みんな来ーい! うまそうな人間を持って来たぞー!」 イラスト 37 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 仲間の鬼が大勢集まって来ましたが、風呂おけの中をのぞいて見ると中は空っぽです。 イラスト 38 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 怒った鬼婆は山道を引き返し、すぐに男を見つけました。 イラスト 39 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 「こら待てー!」 イラスト 40 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 「いやじゃ! 助けてくれー!」 イラスト 41 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 鬼婆の手が男の首にかかる寸前、男は草むらへ飛び込みました。 イラスト 42 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 すると鬼婆は男の飛び込んだ草むらが怖いらしくて、 イラスト 43 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 草むらの中に入って来ようとはしません。 イラスト 44 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 「なまんだぶー、なまんだぶー」 イラスト 45 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 鬼婆は草むらのまわりをウロウロしていましたが、やがてあきらめて帰って行きました。 イラスト 46 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 「た、助かった。・・・しかし、何で助かったのじゃろう?」 イラスト 47 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 鬼婆は菖蒲の葉が刀に見えて、入ってこれなかったのです。 イラスト 48 (イラストタッチでイラスト大)無断転載禁止 その日がちょうど五月五日だったので、今でも五月五日の節句には魔除(まよ)けとして、屋根へ菖蒲をさすところがあるのです。 おしまい |
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