百物語 日本の怖いお話し 福娘童話集 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集
- 広 告 -
 


福娘童話集 > 日本のこわい話(百物語)

百物語 第203話

ヒヒと力くらべをした源助

ヒヒと力くらべをした源助
富山県の民話富山県情報

 むかしむかし、黒部(くろべ)の山おくでは、突風(とっぷう)が起こって木こりたちを空中に投げとばしました。
 これはこの地にすむヒヒが木を切らせないように、木こりたちを追い払おうとしているためです。
 さて、この黒部の山おくに、源助(げんすけ)という木こりの親分(おやぶん)がいました。
 たいそう力持ちで、イノシシでも素手(すで)でなぐり殺すほどです。
 ある日の事、この源助が作兵衛(さくべえ)という木こりを連れて奥山に入ったところ、すさまじい突風が吹きつけたので、ひとまず山をおりることにしました。
 ふと後ろをみると、ついてきているはずの作兵衛がいません。
 いそいで引き返してみると、ヒヒが大きな手で作兵衛の体をつかみ、からだを引きさこうとしているではありませんか。
「おのれ! お前なんぞに作兵衛を渡してなるものか!」
 源助はこういうと、とび上がって作兵衛の足をつかみ、ヒヒから引き離そうとしましたが、これがなかなか離れません。
 作兵衛の手足からしたたる血で、源助は血まみれです。
 源助とヒヒとの力くらべは、一晩じゅう続けられました。
 しかし、夜明けになるとヒヒが根負けして、作兵衛をはなして谷の向こうに消えていきました。
 源助は作兵衛を介抱(かいほう)して家にとどけると、すぐ奥山にもどって、谷一番の大木を切りました。
 あのヒヒをよびだして、勝負の決着をつけようと言うのです。
 でも源助におそれをなしたのか、それからヒヒの姿は見られませんでした。

おしまい

 前のページへ戻る

お話しの移動

・ 福娘童話集
・ 100物語 (こわ〜い話)

百 物 語

・   1話  〜  10話
・  11話  〜  20話
・  21話  〜  30話
・  31話  〜  40話
・  41話  〜  50話
・  51話  〜  60話
・  61話  〜  70話
・  71話  〜  80話
・  81話  〜  90話
・  91話  〜 100話

・ 101話  〜 110話
・ 111話  〜 120話
・ 121話  〜 130話
・ 131話  〜 140話
・ 141話  〜 150話
・ 151話  〜 160話
・ 161話  〜 170話
・ 171話  〜 180話
・ 181話  〜 190話
・ 191話  〜 200話

・ 201話  〜 210話
・ 211話  〜 220話
・ 221話  〜 230話
・ 231話  〜 240話
・ 241話  〜 250話
・ 251話  〜 260話
・ 261話  〜 270話
・ 271話  〜 280話
・ 281話  〜 290話
・ 291話  〜 300話

・ 301話  〜 310話
・ 311話  〜 320話
・ 321話  〜 330話
・ 331話  〜 334話


ジャンルの選択
・有名な話 日本 世界
・こわい話 日本 世界
・わらい話 日本 世界
・感動話 日本 世界
・とんち話 日本 世界
・悲しい話 日本 世界
・ふしぎ話 日本 世界
・恩返し話 日本 世界
・恋物語 日本 世界