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福娘童話集 > 百物語 > 七月
7月12日の百物語
(7月12日的日本鬼故事)
カニ寺
螃夾寺
・日本語 ・日本語&中国語
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投稿者 「ひさこばあば」 ひさこばあばのむかしむかし ブログ:80代万歳(もうすぐ90代)
むかしむかし、ある国に小沢村(こざわむら)という村がありました。
到好久以前、有個小沢村。
この村には大きな池があって、いつの頃からかカニの化け物が住みつくようになりました。
村裡有個大池子、不曉得是甚麼時候開始住了個螃夾妖。
このカニの化け物は池にやって来る者を次々と食い殺し、ついには、近くにあるお寺の和尚(おしょう)さんまで食い殺してしまったのです。
螃夾就幫來水池的人、來條吃條、後面連住池子旁邊的和尚也過著吃了。
村人たちはこの池を怖がって、昼間でも近づく者はいません。
村裡人是著骸了個卵卯翻天、這白天都覓(沒)人敢去水池了。
そして和尚さんのいなくなったお寺は、人のいない荒れ寺になってしまいました。
著吃的和尚剛好是方丈、這哈廟裡一散完、也就變條空廟了。
さて、この国の海岸寺(かいがんじ)というお寺に、学問ばかりでなく武芸にも優れた和尚さんがいました。
這地界還有個其他寺、喊海岸寺、裡面有個不僅懂法還會耍點刀槍的和尚。
旅人から小沢村の化け物の話を聞かされた和尚さんは、腹を立てて言いました。
也是從小沢村過來的人聽到他們哪裡的傳聞、和尚聽到就來火了。
「どんな化け物かは知らんが、仏に仕える者まで食い殺すとは、けしからん!」
港敢動我佛門弟子、不管你是那個、這種行為就是挑釁。
そして、さっそく小沢村へ行くと、村人が止めるのも聞かずに、池の近くの荒れ寺をたずねて行きました。
這就往小沢村去了、其他人是攔都攔不到。先是去池旁邊的廟裡看哈子。
すると荒れ寺から、一人の小僧が出てきました。
一條覓人荒涼廟、怎麼還有個小和尚到啦。
(はて、確かここには、誰もいないはずだが・・・)
怪事、按港覓人啊
和尚さんは不思議に思いながらも、小僧にたずねました。
和尚感覺不思議、就問小和尚啊
「この寺の住職(じゅうしょく)は、いかがなされた」
廟裡面的大和尚現在是甚麼情況啊
「はい。用事があって、よそへ出かけておられます」
有點事去其他地方了
「いつ、戻られる」
那甚麼時候回來啦
「さあ、しばらくは戻らないというだけで、いつ戻るとは聞いておりません」
就只港一哈回不來、但是好久回來並覓交待
(これは、いよいよ怪しいぞ)
信息有出入
和尚感覺越來越怪了
そこで和尚さんは、何食わぬ顔で言いました。
但是臉上也覓流露甚麼信息出來。
「わしは旅の僧。今夜、ここに泊めてもらえぬか?」
我是過路的修行僧、今天可以住這裡吧?
すると小僧は、ニコニコして言いました。
小和尚笑的好開心
「はい。どうぞ、どうぞ。こんな荒れ寺でよかったら、遠慮なくお泊まりください」
客氣一哈、也是港你看得起就住。
その晩、和尚さんがお堂の中で横になっていると、ヒトヒトと近づいて来る足音がします。
晚上和尚困(躺)到廟堂、有條腳步聲靠近了。
足音がお堂の前で止まると、すーっと扉(とびら)が開く音がしました。
就停到廟堂的、這又聽到門被拉開的聲音。
「何者!」
那個!
和尚さんが素早く立ち上がって杖(つえ)を構えると、そこには昼間の小僧が立っていました。
和尚馬上起身幫自己的法杖提到手上、站到哪裡的是白天的小和尚。
小僧が、恐ろしい声で言いました。
小和尚用好毛人的聲音港
「わしの問答を受けてみろ!」
我們來問法!
「望むところ。何なりと問いかけてみろ」
那就問。
「ならば聞く。オテにコテとはこれいかに」
拿到手裡面的鏝喊甚麼
(オテ=お手=手、コテ=鏝)
「オテにコテとは鎚(つち→金づちや木づち)の事なり。カツ!」
錘子。
言うなり和尚さんは、小僧の頭を杖で叩きました。
這錘子還覓港完、提起杖對到小和尚腦殼就是一哈。
そのとたん、小僧の姿が消えて、天井が音をたてて崩れます。
小和尚這一哈就不見了、天花板也發出聲音稀爛。
そして天井の穴から針金の様な黒い毛の生えた足が垂れ下がり、怒鳴る様な声で言いました。
天花板也就破出一條洞、一根根像針頭一樣黑色的腳毛、這條踋就吊到上面的。
「タイソクはニソク、ショウソクはロクソク、リョウガンはテンをむく。これいかに」
大腳有二、小踋有六、兩眼朝天、是為何物?
「大きな足が二本に小さな足が六本、両方の目が天を向くのは、カニの化け物。きさまがこの寺の和尚を食い殺したのだな!」
我看你是條螃夾妖、幫這廟方丈吃的人就是你。
和尚さんは杖を振り上げると、その毛むくじゃらの足を力いっぱい叩きました。
和尚舉杖、對到天上的大毛踋就是一頓亂耍。
すると天井に大目玉が現れ、大目玉からカミナリの様な閃光を放つと、ガシャリと下へ落ちました。
天花板上面就有顆大眼珠子出現了、放完一陣和閃電一樣的光、這就落地上來了。
和尚さんは、その上へもう一度杖を振り下ろします。
和尚這就又是一杖。
「ギャオオオーーーーーー!」
啊啊啊啊啊!
ものすごい叫び声とともに、辺りがまっ暗になりました。
一聲巨大的哀嚎、這周圍一片就覓一點光了、一哈暗了落來、烏漆麻黑的。
翌朝、心配をしてやって来た村人たちがお堂の中を見てみると、天井が破られ、床の上に黒い血の様なしみが点々とついていました。
第二天村裡人還是不放心和尚、進廟堂看情況來了、天花板破了、地上像是黑色血印子的印記這裡哪裡都是。
和尚さんは、村人たちに言いました。
和尚就港了
「もう大丈夫、化け物は退治した。おそらく池には、背中をつぶされたカニが浮いているはずじゃ」
已經覓事了、那條妖怪著我弄了、我估計現在池子上面有條浮起來的大螃夾。
村人たちが池へ行くと、確かに背中を割られた大きなカニの死体が浮いていました。
村裡人去池子探、確實有條背上稀爛的螃夾屍體浮到哪裡的。
村人たちは大喜びで和尚さんにお礼を言うと、荒れ果てたお寺を新しく建て直して、名前を『カニ寺』と名づけたそうです。
村裡人高興就感謝和尚啦、幫這覓人的空廟也重新翻修哈子、名字也換成螃夾寺了。
おしまい
结束
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