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福娘童話集 > きょうの江戸小話 > 8月の江戸小話 > 金魚 
      8月11日の小話 
        
      金魚 
      
       
      
      
        町内の子どもたちが、おけに入っている金魚(きんぎょ)の泳ぐのを見て、ワイワイさわいでおりました。 
        「こっち、こっちだ!」 
  「あれっ、また藻(も→みずくさ)の中にかくれてしまったぞ!」 
  「後ろからつついて、出してやれよ」  
   するとそこへ、近所の男がやって来て言いました。 
  「どれどれ、どんな金魚を買ってきたのだね?」 
   男がのぞき込むと、おけの外で金魚が一匹、口をパクパクさせながら苦しそうにあえいでいます。 
   男は驚いて、子どもたちに聞きました。 
  「おいおい、どうしてこんな所に、金魚をおいたままにしておくのだ?」 
   すると子どもたちは、 
  「その金魚はね、苦しそうに横になって泳いでいたの。だからちょっとの間、外で寝かせて休ませているんだよ」 
      と、言ったそうです。 
      ♪ちゃんちゃん 
(おしまい) 
        
         
         
        
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