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第 103話
うそつき名人
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投稿者 「ひつじも眠る朗読チャンネル」
【眠くなる優しい声で読み聞かせ】日本昔話集:楽しいとんちの話
むかしむかし、源さんという、うそつきの名人がいました。
ある日、源さんが村の田んぼ道を走っているのを見て、村人たちが言いました。
「おいおい、そんなに急いでどこへ行くんだ? それよりも、今日も何かうまいうそをついてくれよ」
でも源さんは、知らん顔です。
「ははーん。さすがのうそつき名人もよほどあわてているとみえて、うそをつくひまもないらしい」
「そうだな。あはははは」
みんなが大笑いしていると、源さんは怖い顔で、
「何をのんきなことを!
庄屋(しょうや)さんが死んだというのに、うそなんかついていられるか!
これからとなり村へ、知らせに行くところだ!」
と、言って、走っていきました。
「なに! 庄屋さんが!」
「それは、大変だ! 庄屋さんが、なくなったぞ!」
村人たちはビックリして、次々と庄屋さんの家へかけつけました。
ところが庄屋さんは元気で、楽しそうに庭の手入れをしているではありませんか。
「これは、どういう事だ?」
「・・・しまった。また源さんにやられた!」
「さすがはうそつきの名人、大したものだ」
村人たちは源さんの見事なうそに、すっかり感心したという事です。
おしまい
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