福娘童話集 > 日本の民話 2 福娘童話集 きょうの日本民話 童話・昔話・おとぎ話の福娘童話集


福娘童話集 > 日本の民話 その2 > 10月の日本民話

10月25日の日本民話 2

紫井戸の片目ブナ 弘法話

紫井戸の片目ブナ 弘法話
愛媛県・松山市の民話愛媛県の情報

 松山(まつやま)の城山近くにある町の庭先に、紫井戸(むらさきいど)と呼ばれる井戸があります。
 井戸の水が醤油をつくる水に適していたところから、醤油のむらさきにちなんで紫井戸と名付けられました。
 これは、その紫井戸に伝わるお話しです。

 弘法大師が四国巡礼の旅で紫井戸の近くを通り過ぎようとすると、ある家の庭先で一人のおばあさんがフナを料理していました。
 包丁で生きたまま片身をそがれたフナは、残った半身をピクピクと動かしながら悲しそうな目を大師に向けました。
(うむ。ここで出会ったのも何かの縁か)
 大師はお金を取り出すと、おばあさんに言いました。
「その片身のフナを売ってくれませんか? 片身ではあるが生きたまま逃がしてやりたい」
「はあ? これを逃がす?」
 おばあさんは首をかしげながらも、片身になったフナを大師に売ってやりました。
(このお坊さん、頭がおかしいのでは? 片身のフナを逃がしたところで、すぐに死んでしまうのに)
 ところが不思議な事に、大師が片身のフナをそっと川へ逃がしてやると、片身になったフナは一生懸命に紫井戸につながる川を泳いでいきました。
 そしてきれいな水の湧き出る紫井戸を自分のすみかにして、元気に子孫を残していったのです。

 ある日の事、フナを大師に売ったおばあさんが紫井戸を覗いてみると、なんと井戸の中にいるフナは全部片目のフナだったそうです。

おしまい

紫井戸と片目鮒

前のページへ戻る

    10月25日の豆知識

366日への旅
きょうの記念日
民間航空記念日
きょうの誕生花
茴香(ういきょう)
きょうの誕生日・出来事
1985年 高垣 彩陽 (声優)
恋の誕生日占い
物静かで、人の気持ちに敏感な女の子
なぞなぞ小学校
日本で一番大きな動物が住んでいる県は?
あこがれの職業紹介
ゲームセンター(スタッフ・店員)
 10月25日の童話・昔話

福娘童話集
きょうの日本昔話
馬の友だち
きょうの世界昔話
ほら吹き男爵 一晩で元に戻る、牛の骨
きょうの日本民話
からいもと盗人
きょうの日本民話 2
紫井戸の片目ブナ 弘法話
きょうのイソップ童話
3頭のウシとライオン
きょうの江戸小話
おない年
きょうの百物語
大ムカデ退治

福娘の姉妹サイト

http://hukumusume.com

366日への旅
毎日の記念日などを紹介
福娘童話集
日本最大の童話・昔話集
さくら SAKURA
女の子向け職業紹介など
なぞなぞ小学校
小学生向けなぞなぞ