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1月8日のイソップ童話
アリ
アリは、むかしは人間でした。
その人はお百姓でしたが、自分の畑でできるものだけではまんぞくしないで、となり近所のお百姓の畑の作物をうらやましがって、しょっちゅうぬすんでいました。
ゼウス(→詳細)の神は、
「こんな欲ばり人間は、ゆるせない」
とおこって、この人をわたしたちがアリと呼ぶ生きものに、かえてしまったのです。
けれどもこの人は、アリに姿がかわっても性格はかわりませんでした。
その証拠に、いつでもあちらこちらの畑を歩きまわって、よその人のオオムギやコムギをひろっては、自分のためにためこんでいます。
生まれつき悪い人は、どんなにひどくばっせられても、それで性質がかわることはない。ということを、この話はしめしています。
おしまい