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4年生のイソップ童話(どうわ)
モミの木とイバラ
大きくて立派(りっぱ)なモミの木が、足元のイバラを見下していいました。
「おほん。私(わたし)は世の中の色々に役に立つ。たとえば、神殿(しんでん)の屋根や大きな船をつくったり。それに、すらっと背が高(せがたか)くて、じつに美しい。まったく、いだいなモミの木さまだ。・・・おや? 私(わたし)の足元に生えているお前は、全身がトゲトゲで、みんなからきらわれているイバラだな。お前に一つ聞くが、お前には一体、何の取り柄(とりえ)があるのだ?」
すると、イバラがこういいました。
「確(たし)かに、私(わたし)には、何の取り柄(とりえ)もありません。でも・・・」
「・・・でも、なんだ?」
「あっ 、ほら、ほら。オノを持ったきこりがやって来ましたよ。まっすぐこっちへ向かってきますね。私(わたし)たちに、なにか用でしょうか。いや、わたしはトゲトゲのきらわれ者ですから、きっと、あなたに用でしょう。人気者はたいへんですね。・・・あれ? どうしました? 風もないのに、急に震(ふる)え出したりして」
人から、ちやほやされるからと言って、とくいになってはいけません。
目立ちすぎると、たいへんな目にあうかもしれませんよ。
おしまい
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