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5月26日のイソップ童話
歌手
へたくそな歌手が、朝から晩まで家の中で歌っていました。
家はしっかりした壁でかこまれているので、声がよくひびきました。
それで歌手は、自分がすばらしい声をしている、と思いこみました。
すっかりうぬぼれて、とうとう劇場で歌うことにしました。
ところが、いざステージで歌うと、あんまりへたくそなので、石をぶつけられて追い出されてしまいました。
この歌手と同じように、学校の中では話しかたがじょうずだと思われていた人が、政治家になろうとして、おおぜいの人の前で演説すると、たちまちしどろもどろになってしまうことがあります。
おしまい