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6月3日のイソップ童話
小ガラスと大ガラスA
大ガラスは、人間の未来をうらなう事ができると考えられていました。
人々は大ガラスの鳴き方で縁起が良いかどうかをうらない、大ガラスをだいじにして、裁判の証人にするほどでした。
同じカラスでも小ガラスは少しもだいじにさせません。
それで、小ガラスは大ガラスをねたんで、自分も1つ、うらないをやってみようと思いました。
旅人がやってくるのを見た小ガラスは、一本の木にとまって、大きな声でなきました。
その声を聞いて、旅人たちは「ぎょっ」としてふりかえりました。
しかし、中の1人がいいました。
「さあさあ、どんどん旅をつづけましょう。いまないたのは小ガラスですよ。あんなものはうらないとはちっとも関係がありません」
人間も同じ事です。自分よりもあきらかにすぐれた人と、考えなしにはりあっても、かなわないだけでなく、笑い者になってしまいます。
おしまい