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8月14日のイソップ童話
農夫とオオカミ
ウシをつかって畑をたがやしていた農夫が、ウシを畑をたがやす道具のすきからはずして、水を飲ませに連れていきました。
そのあいだに、おなかのすいたオオカミが、エサをさがしながらやってきて、そこにおいてあるすきをみつけて寄ってきました。
オオカミは、はじめはすきの首かせの内側を、ちょろちょろとなめていましたが、知らずしらずのうちに、奧まで首をつっこんで、首かせにはまってしまったのです。
首がぬなくなったオオカミは、そのまますきをひきずって、畑の中をいったりきたりしました。
水飲み場からもどってきて、これを見た農夫はこう言いました。
「この根性まがりめ、いくら畑をたがやしてみせたって、かっぱらいやどろぼうをやめなきゃだめだぞ!」
このオオカミと同じように、悪人がよい人のふりをしてみせても、だれからも信用してもらえないものです。
おしまい