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12月20日のイソップ童話
鳥刺しと野生のハトとかわれているハト
鳥刺しが(→詳細)ハトをとるために、アミをはって自分がかっているハトをおとりにしてアミにつなぎました。
そして、少しはなれたところにかくれて、なりゆきを見ていました。
いく羽かの野生のハトが飛んできて、おとりのハトのそばへいこうとして、アミにかかりました。
鳥刺しはかけよって、野生のハトをつかまえました。
野生のハトたちはおとりのハトたちに向かって、
「きみはひどいな。同じハトのなかまのくせに、ぼくらがアミにかからないように注意をしてくれないなんて」
と、とがめると、おとりのハトが答えました。
「ぼくの仕事がこれだからしかたがないよ。ぼくには身内のことよりも、飼い主にしかられないことの方がだいじなんだ」
たとえ身内でもあまい話にはのってはいけません。人には、身内よりも仕事が大切な人がおおぜいいます。
おしまい