小学生童話 幼稚園・保育園の童話集 福娘童話集
ふくむすめどうわしゅう > しょうがくせいどうわ > 1ねんせいむけ > にほんむかしばなし > ツルのおんがえし
         メ ニ ュ ー

福娘童話集
にほん むかし ばなし
せかい むかし ばなし
にほん みんわ
イソップ どうわ
えど こばなし

おはなし  いちらん

しょうがくせい どうわ
こ う こ く
 


1ねんせいのにほんむかしばなし

ツルのおんがえし

ツルの おんがえし

♪音声配信(html5)
音声 スタヂオせんむ

♪音声配信(html5)
音声 得本綾(コトリボイス) ラジオHP

 むかしむかし、 まずしいけれど、 こころの やさしい おじいさんと、 おばあさんが すんでいました。
 ある ふゆのひ、 おじいさんは まちへ たきぎを うりに でかけました。
 すると、 とちゅうの たんぼの なかで、 1わの ツルが、 ワナに かかって もがいていました。
 おじいさんは、 かわいそうに おもって、 ツルを にがして やりました。
 ツルは おじいさんの あたまの うえを 3ベんまわって、 「カウ、カウ、カウ」と、 うれしそうに ないて、 とんでいきました。
 そのよる、 ゆきが、 コンコンと つもって おおゆきに なりました。
 おじいさんが おばあさんに、 ツルを たすけたはなしを していると、 いえのとを、 トントン、 トントンと、 たたくおとがします。
「ごめんください。 あけてくださいまし」
 わかい おんなのひとの こえです。
 おばあさんが とを あけると、 あたまから ゆきをかぶったむすめが たっていました。
 おばあさんは おどろいて、
「おお、 おお、 さむかったでしょう。 さあ、 はやくおはいり」
と、 むすめを いえに いれました。
「わたしは、 このあたりに ひとを たずねて きましたが、 どこを さがしても みあたらず、 ゆきは ふるし、 ひは くれるし、 やっとのことで、 ここまで まいりました。 どうか ひとばん、 とめてくださいまし」
 むすめは、 ていねいに てを ついて たのみました。
「それは それは おこまりじゃろう。 こんなところで よかったら、 どうぞ、 おとまりなさい」
 おじいさんが いいました。
 むすめは よろこんで、 そのばんは しょくじの てつだいなどして、 はたらいて やすみました。
 あくるあさ、 おばあさんが めを さますと、 むすめは もうおきて、 はたらいていました。
 いろりには ひが もえ、 なべからは ゆげが あがっています。
「まあまあ、 おそうじまで してくれたのかね」
 おばあさんも おじいさんも、 おどろきました。
 つぎのひも、 そのつぎのひも おおゆきで、 いえのとを あけることも できません。
 むすめは、 おじいさんの かたを もんで くれました。
「なんて よくはたらく むすめさんじゃ。 なんて よくきのつく やさしいむすめさんじゃ。 こんなむすめが うちに いてくれたら、 どんなに うれしいじゃろう」
 おじいさんと おばあさんは、 かおを みあわせました。
 すると、 むすめが たのみました。
「みよりのない むすめです。 どうぞ、 このいえに おいてくださいませ」
 おじいさんと おばあさんは よろこんで、 それから 3にんは、 まずしいけれど、 たのしいまいにちを すごしました。
 あるひの こと、 むすめが はた(→ぬのを つくる きかい)を おりたいから いとを かってくださいと たのみました。
 おじいさんが いとを かってくると、 むすめは はたの まわりに びょうぶを たてて、
「はたを おりあげるまで、 だれも のぞかないで ください」
と、 いって、 はたを おりはじめました。
 キコバタトン、 キコバタトン。
 むすめが はたを おって、 みっかが たちました。
「おじいさま、 おばあさま、 この あやにしき(→うつくしい ぬの)を まちへ うりにいって、 かえりには また、 いとを かってきてくださいませ」
 むすめは とりの はねの ように かるい、 うつくしい おりものを ふたりに みせました。
 おじいさんが まちへ うりにいくと、 それを とのさまが たかいねだんで かってくれました。
 おじいさんは よろこんで、 いとを かって かえりました。
 むすめは また、 はたを おりました。
「いったいどうして、 あんな みごとな ぬのを おるのでしょう。 ほんのすこし、 のぞいてみよう」
 おじいさんと おばあさんが、 びょうぶの すきまから のぞいてみると、 そこに むすめは いなくて、 やせこけた 1わの ツルが、 ながいくちばしで じぶんの うもう(→やわらかい はね)を ひきぬいては、 いとに はさんで はたを おっていました。

つるの恩返し

「おじいさんや、 おじいさんや」
 おどろいた おばあさんは、 おじいさんに、 このことを はなしました。
 キコバタトン、 キコバタトン。
 はたの おとが やんで、 まえよりも やせほそった むすめが、 ぬのを かかえて でてきました。
「おじいさま、 おばあさま。 わたしは、 いつか たすけられた ツルで ございます。 ごおんを おかえししたいと おもって むすめになって まいりました。 けれど、 もう おわかれで ございます。 どうぞ、 いつまでも おたっしゃで いてくださいませ」
 そういったかと おもうと、 おじいさんと おばあさんが とめるのも きかず、 たちまち 1わのツルになって そらへ まいあがりました。
 いえのうえを 3ベんまわって、 「カウ、 カウ、 カウ」と なきながら、 やまの むこうへ とんでいってしまいました。
「ツルよ。 いや、 むすめよ。 おまえも たっしゃで いておくれ」
 おじいさんと おばあさんは、 いつまでも ツルを みおくりました。
 それからのち、 ふたりは ぬのを うった おかねで、 しあわせに くらしました。

おしまい

前のページへ戻る


       福娘のサイト

366日への旅
きょうの記念日
毎日の素敵な記念日をイラスト付きで紹介。
きょうの誕生花
毎日の誕生花を花写真付きで紹介。
きょうの誕生日・出来事
有名人の誕生日やその日の出来事と性格判断
       福娘のサイト

子どもの病気相談所
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
       福娘のサイト

世界60秒巡り
世界60秒巡り
世界の国旗・国歌・国鳥・観光名所などを紹介。
世界遺産巡り
日本と世界の世界遺産を写真付きで紹介。
都道府県巡り
47都道府県の豆知識。
県章、県鳥、県花、観光名所など。