小学生童話 幼稚園・保育園の童話集 福娘童話集
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福娘童話集
にほん むかし ばなし
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イソップ どうわ
えど こばなし

おはなし  いちらん

しょうがくせい どうわ
こ う こ く
 


1ねんせいのにほんむかしばなし

テングの隠れみの

テングの かくれみの

♪音声配信(html5)
音声 ☆横島小次郎☆

♪音声配信(html5)
音声 スタヂオせんむ

 むかしむかし、 ひこいちと いう、 とても かしこい こどもが いました。
 ちいさいころから あたまが よくて、 ずいぶんと とんちが きくのですが、 たいへんな おさけずきです。
 ひこいちの ゆめは、 まいにち たらふく さけを のむことです。
「ああ、 さけが のみたいなあ なにか うまいちえは、 ないものか?」
 かんがえているうちに、 ふと、テングの かくれみの(→それを かぶると すがたが きえる、 テングの たからもの)の ことを おもいだしました。
 テングは、 むらはずれの おかに、 ときどき やってくると いいます。
 ひこいちは、 ごはんを たくときに つかう、 ひふきだけを もって おかに くると、
「やあ、 こいつは ええながめだ。 おおさかや きょうとが、 てにとるように みえる。 みえるぞ」
 そういいながら、 ひふきだけを、 ぼうえんきょうの ように のぞいていると、 マツの きの そばから こえが しました。
「ひこいち、 ひこいち。 のぞいているのは、 かまどの したの ひを ふきおこす、 ただの ひふきだけ じゃろうが」
 こえは しますが、 めには みえません。
 テングが、 ちかくに いるのです。
「これは、 ひふきだけに にた、 せんりきょう じゃ。 おお、 きょうの みやこの うつくしい ひめが やってきなさったぞ。 うしに ひかせた くるまに のっておるわ」
「なに、 きょうの みやこの ひめだと? ひこいち、 ちょっとで よいから、 わしにも のぞかせてくれんか」
 テングは、 ひこいちの そばに きた ようすです。
「だめだめ。 この せんりきょうは、 うちの たからもの。 もって にげられては たいへんじゃ」
 そのとたん、 めのまえに おおきなテングが すがたを あらわしました。
「だいじょうぶ、 にげたりはせん。 だけど、 そんなに しんぱいなら、 そのあいだ、 わしの かくれみのを あずけとこう」
「うーん、 それじゃ、 ちょっとだけだぞ」
 ひこいちは すばやく かくれみのを みにつけると、 さっさと にげだしました。
 テングは、 ひふきだけを めに あててみましたが、 なかは まっくらで なにも うつりません。
 だまされた! と、 きがついたときには、 ひこいちの すがたは かげも かたちも ありませんでした。
 さて、 かくれみのに みをつつんだ ひこいちは、 さっそく いざかや(→おさけをだす りょうりや)に やってくると、 おきゃくの よこに こしを かけ、 とっくり(→おさけの いれもの)の まま、 グビグビと のみました。
 それをみた おきゃくは、 ビックリして めを しろくろさせます。
「とっ、 とっくりが、 ひとりでに うきあがったぞ!」
 たらふくのんだ ひこいちは、 ふらつくあしで、 いえに かえりました。
「これは、 べんりなものを てに いれたわ」
 かくれみのさえ あれば、 いつでも、 どこでも、 すきなさけを のむことが できます。
 つぎの あさ。
 きょうも、 たださけを のみにいこうと とびおきた ひこいちは、 だいじに しまいこんだ かくれみのが、 どこにも ないことに きがつきました。
「おっかあ。 つづら(→いふくを いれる カゴ)の なかに しまいこんだ、 みのを しらんか?」
「ああ、 あの きたない みのなら、 けさがた、 かまどで もやしたわ」
「な、 なんと!」
 のぞきこんで みると、 みのは すっかり もえつきて はいに なっています。
 ひこいちは ぶつくさ いいながら、 はいを かきあつめて みると、 はいの ついた てのゆびが、 みえなくなりました。
「ははん。 どうやら、 かくれみのの こうかは、 はいになっても あるらしい」
 ためしに からだに ぬってみると、 はいを ぬった ところが とうめいに なりました。
「よし、 これで だいじょうぶだ。 さっそく さけを のみにいこう」
 まちでは、 ひるまから さけを のませている みせが ありました。
 ひこいちは さっそく、 おきゃくの そばに すわると、 とっくりの さけを よこどりしました。
 それをみた おきゃくは、 「わっ」と、 ひめいを あげました。
「みっ、 みろ。 めっ、 めだまが、 わしの さけを のんでる!」
 じつは かくれみのの はいは、 めだまに だけは ぬって なかったのです。
「ばけものめ、 これを くらえ!」
 おきゃくは、 そばにあった みずを ひこいちに かけました。
 すると どうでしょう。
 からだに ぬった はいが みるみるおちて、 はだかの ひこいちが すがたを あらわしました。
「あっ! てめえは、 ひこいちだな! こいつめ、 ぶんなぐってやる!」
「わっ、 わるかった、 ゆるしてくれー!」
 ひこいちは そういって、 すっぱだかのまま にげかえったそうです。

おしまい

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