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彦一(ひこいち)

　彦一(ひこいち)は、きっちょむさんや一休(いっきゅう)さんと共(とも)に、日本(にほん)を代表(だいひょう)するとんち話(ばなし)の主人公(しゅじんこう)ですが、先(さき)の二人(ふたり)と違(ちが)って、空想(くうそう)の人物(じんぶつ)といわれています。
　熊本県(くまもとけん)の球磨郡(くまぐん)や八代郡(やつしろぐん)に伝(つた)わる、木下順二(きのしたじゅんじ)の戯曲(ぎきょく)「彦一(ひこいち)(→彦市(ひこいち))ばなし」が有名(ゆうめい)ですが、彦一(ひこいち)のお話(はな)しに似(に)た話(はなし)は全国各地(ぜんこくかくち)にあり、代表的(だいひょうてき)なものをあげると、鹿児島(かごしま)の侏儒(じゅじゅ)どん、佐賀(さが)の勘右衛門(かんね)、兵庫(ひょうご)、岡山(おかやま)、島根(しまね)の彦八(ひこはち)、石川(いしかわ)の三右衛門(さんにょもん)、山形(やまがた)の佐兵(さひょう)などがあります。

　きっちょむさんのお話(はなし)とよく似(に)ているといわれますが、実在(じつざい)の人物(じんぶつ)のきっちょむさんが主(おも)に相手(あいて)をするのが庄屋(しょうや)さんであるのに対(たい)し、空想(くうそう)の人物(じんぶつ)の彦一(ひこいち)が主(おも)に相手(あいて)にするのが殿(との)さまという違(ちが)いがあります。
　
　彦一(ひこいち)が登場(とうじょう)する、主(おも)な昔話(むかしばなし)。

・若様(わかさま)はひとり
・八人(にん)の真ん中(まんなか)
・あまのじゃくくらべ
・テングの隠(かく)れみの
・彦一(ひこいち)のウナギつり
・切(き)れない紙(かみ)
・ほうびの米俵(こめだわら)
・彦一(ひこいち)とえんまさま