小学生童話 幼稚園・保育園の童話集 福娘童話集
ふくむすめ童話集 > 小学生童話 > 3年生むけ > 日本昔話(にほんむかしばなし) > 舟(ふね)の渡し賃(わたしちん)
         メ ニ ュ ー

福娘童話集
3年生の日本むかしばなし
3年生の世界むかしばなし
3年生の日本みんわ
3年生のイソップ どうわ
3年生のえど こばなし

3年生のおはなし  いちらん

小学生 どうわ
こ う こ く
 


3年生の日本昔話(にほんむかしばなし)

舟の渡し賃

(ふね)の渡し賃(わたしちん)

♪音声配信(html5)
音声 スタヂオせんむ

 むかしむかし、きっちょむさんと言う、とてもゆかいな人がいました。
 あるとき、きっちょむさんが、庄屋(しょうや)さんによばれました。
「すまない、きっちょむさん。渡し舟(わたしぶね)のせんどうが病気(びょうき)でたおれてしまったんだ。今日だけでいいから、代(か)わりに渡し舟(わたしぶね)のせんどうになってはくれまいか」
「はい、いいですよ」
と、いうわけで、きっちょむさんは、今日一日、村の渡し舟(わたしぶね)のせんどうです。
「ひまじゃな。だれか、客(きゃく)がこないかなあ」
 川べりでタバコをいっぷくしていると、旅(たび)の侍(さむらい)がやってきました。
「これ、せんどう。渡し賃(わたしちん)はいくらだ?」
「はい。かたみち、八文(→二百四十円ほど)のきまりになってます」
 すると、旅(たび)の侍(さむらい)が、
「八文とはたかい。六文にいたせ!」
 いばって、命令(めいれい)しました。
 きっちょむさんは、
(このケチざむらいめ)
と、思いましたが、けんかをしても、負(ま)けてしまいます。
「さあ、舟(ふね)を出しますよ」
 きっちょむさんは、侍(さむらい)をのせてこぎだしました。
 ところが、あと少しで向こう岸(むこうぎし)につくというところで、きっちょむさんは舟(ふね)をとめました。
「ここまでが六文です。あと二文だせば、岸(きし)までつけますが、どういたしましょう?」
「なんだと。ここでおりて、あとは泳(およ)いでゆけというのか!」
「いいえ、あと二文だせば、向こう岸(むこうぎし)までお送(おく)りします」
「ええい、こうなれば意地(いじ)(くら)べだ。向こう岸(むこうぎし)までやれないのなら、もとの岸(きし)にもどせ!」
「へい、わかりました」
 きっちょむさんは、すなおに舟(ふね)をもどすと、さむらいの前に手を出しました。
「六文のところを、行って帰ってきましたので、合計十二文ちょうだいいたします」
「・・・くそーっ! わしの負(ま)けだ!」
 さむらいは十二文を払(はら)うと、どこかへ行ってしまいました。

おしまい

前のページへ戻る


       福娘のサイト

366日への旅
きょうの記念日
毎日の素敵な記念日をイラスト付きで紹介。
きょうの誕生花
毎日の誕生花を花写真付きで紹介。
きょうの誕生日・出来事
有名人の誕生日やその日の出来事と性格判断
       福娘のサイト

子どもの病気相談所
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
       福娘のサイト

世界60秒巡り
世界60秒巡り
世界の国旗・国歌・国鳥・観光名所などを紹介。
世界遺産巡り
日本と世界の世界遺産を写真付きで紹介。
都道府県巡り
47都道府県の豆知識。
県章、県鳥、県花、観光名所など。