・5年生のお話し いちらん
5年生の江戸小話(えどこばなし)
身投げ
むかしは橋によっては、渡るのにお金を取られたそうです。 夜遅くに髪を振り乱しながら走ってきた娘が、橋の料金小屋の前に一文(→三十円ほど)を投げて、橋の上を通り過ぎようとしました。 すると中から出てきた番人が、慌てて声をかけました。 「これこれ、娘さん。この橋の渡り賃は、二文だよ」 すると娘は後ろを振り向いて、こう言いました。 「大丈夫。あたしは橋の真ん中まで行ったら、川に飛び込むから」
おしまい