福娘童話集 きょうの小話
福娘童話集 > きょうの江戸小話 > 2月の江戸小話 > 水、おのぞみしだい

2月17日の小話

水、おのぞみしだい

水、おのぞみしだい

 世の中には、いろいろな商売があるものです。
 江戸の町に、
《水、おのぞみしだい》」
と、いうかんばんをかけている家がありました。
「ご亭主、水おのぞみしだいとは、ほんとうか?」
と、いじ悪そうな男が、店に入ってきてききました。
「はい、さようで」
「では、まるい水がほしい。できるか?」
「はい、すぐに」
 亭主は、きれいな茶わんに、水をいっぱいくんで持ってきました。
「これ亭主、これがまるい水か?」
 男は、わけがわからないのできくと、
「はい」
「どうしてまるいのだ」
「はい、澄(す)みきっております」
「なに、なんじゃと?」
「それでわかりませんのなら。澄みきる、すなわち、すみをきった、まるい水でございます」

おしまい

366日への旅 トップへ移動

今日は何の日へ移動  今日の誕生花へ移動  今日の誕生日へ移動
福娘童話集 きょうの世界昔話  福娘童話集 きょうの日本昔話へ移動 今日のイソップ童話へ移動

トップページへ移動   このページを閉じる   ホームへ移動