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4月15日の小話

こやしとおもう

こやしとおもう

 いなか道を、ある武士が歩いていました。
 歩きつかれたので、ちょうどそこをとおりかかった、お百姓のウマにのせてもらいました。
 しばらくいくと、武士はむしょうにおなかが痛くなって、「プウー、プウー」と、おならをしてしまいました。
 お百姓はあまりのくささに、
「おまえさまは、ウマのことを、馬頭観音(ばとうかんのん→馬の保護神として、特に江戸時代に広く信仰された観音様)というのを知っておいでか。その観音さまに、へをひっかけるとは」
と、いうと、武士は、
「なるほど、それもそうじゃ。いや、もうしわけない。・・・しかし、その観音さまに、なぜ、ふん尿の入ったこえおけ(肥料を運ぶためのおけの事)をつけるのか?」
と、やりこめました。
 これには百姓もこまり、くやしまぎれに、
「では、くさいおまえさまを、こやしだとおもって、のせてゆきましょうぞ」

おしまい

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