|
|
1ねんせいのえどこばなし
きいたなまえ
いえを さがして、 うろうろしている ひとが おりました。
「もし、 ちょっと おたずねしますが、 このあたりに、 ふくとくや とくざえもん さまと いうひとの いえは ありませぬか」
すると こぞうは、
「はあ、 ふくとくや とくざえもん。 うーん、 きいたことが ある なまえだが、 どこだったかなあ。 ねえ、 ばんとうさん、しりませんか?」
「いいや。 しかし、 どこかで、 きいたような なまえ ですなあ。 もし、 だんなさまは しりませぬか?」
「ふむふむ。 たしかに、 きいたような なまえだが・・・」
と、 しばらく かんがえて いましたが、 やがて ポンと ひざを たたき、
「おお、 きいたような なまえのはずだ。 それは、 わたしの ことでございます」
おしまい
|
|
|