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        2年生の江戸小話(えどこばなし) 
        
      法力(ほうりき) 
      
       貸し衣装屋(かしいしょうや)に、坊(ぼう)さんがやってきました。 
  「ご主人(しゅじん)、ちと、赤いけさ(お坊(ぼう)さんの着物(きもの))を貸(か)してもらいたい」 
  と、坊(ぼう)さんがたのむと、主人(しゅじん)は、 
  「へいへい、すばらしくよい色(いろ)の、けさがございますよ。して、どちらへお出かけで」 
  「うむ、明日(あした)、雨ごいをするのでな、雨降山(あめふりやま)へ」 
   それをきくと、主人(しゅじん)は、さっと、けさをひっこめ、  
  「雨ごいでは、衣(ころも)にしみがつきます。お貸(か)しできませんな」 
   坊(ぼう)さんは、あわてて手をふり、  
  「まあまあ、ご心配(しんぱい)なさるな、わしの法力(ほうりき→ふしぎなちから)では、雨はふらぬわ」 
      おしまい 
        
       
         
         
        
      
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