1ねんせいのえどこばなし
イラスト myi ブログ sorairoiro
うそつきの めいじん
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むかしむかし あるところに、 うそつきの めいじんが いました。
あまりにも じょうずに うそを つくので、 だまされたひとは おこるどころか かんしんしてしまう ほどでした。
あるとき、 おしろの とのさまが このおとこを よびよせました。
「おまえは うそつきめいじんだ そうだな。 うまく わしを だませたなら、 なんでも すきなものを やろう」
すると、 おとこが こたえました。
「じつは、 わたしが うそを つくには 『うそつきぶくろ』と いうものが いるのです。 きょうは いえの たんすの うえに そのふくろを おいてきたので、 とってこないと うそを つけません」
とのさまは、 けらいを すぐに おとこの いえに やりました。
しばらくして、 けらいは もどってくると とのさまに いいました。
「おとこの いえの すみからすみまで さがしましたが、 『うそつきぶくろ』など ありませんでした」
それを きいて、 おとこは いいました。
「そうです。 もともと そんなふくろは ありません。 これが うそです」
「むっ、 あっぱれじゃ!」
みごとに うそを つかれた とのさまは おおよろこびで、 うそつきめいじんに たくさんの ほうびを あげました。
おしまい
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