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2年生の江戸小話(えどこばなし)
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おしゃべり
熊(くま)さんと八つあんが、ひとの悪口(わるぐち)をいっていますと、おしゃべりな竹さんに、きかれてしまいました。
こまった、熊(くま)さんと八つあんは、
「おめえは、とんでもなくおしゃべりなやつだが、何(なん)とかこれで、だまっていてくんな」
と、竹さんに銭(ぜに→お金)をやると、竹さんは、ポンと胸(むね)をたたいて、
「銭(ぜに)をもらったからにゃ、口がさけたって、しゃべりませんぜ」
と、帰(かえ)っていきました。
その日の、ま夜中(よなか)、熊(くま)さんの家(いえ)の戸(と)をたたくものがあります。
おきてみると、なんと、竹さんが戸(と)の外(そと)に立っているではありませんか。
「どうした? いまごろ、何(なん)の用(よう)だい」
すると、竹さんは、
「うん、じつは、昼間(ひるま)もらった銭(ぜに)をかえしにきたんだ。あれからずーっと、しゃべりたくて、ねむれやしねぇ」
おしゃべりとは、こんなものです。
おしまい
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