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3月7日の日本民話
  
  
  
  ネコとちゃんちゃんこ
  鳥取県の民話 → 鳥取県情報
 むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
   仲良しの二人ですが、二人だけの暮らしではさびしいので、町へいって子ネコを買ってきました。
  「なんちゅう、かわいいネコだ」
  「ほんにのう、お人形さんみたいじゃ」
   おじいさんもおばあさんも、まるで自分の子どものようにネコをかわいがりました。
   ある日の事、おじいさんが町へいくと、とってもかわいいちゃんちゃんこと、腹がけが売っていました。
  「そうだ、これをうちのネコに着せてやったら、喜ぶかもしれないぞ」
   そこでおじいさんは、かわいいちゃんちゃんこと腹がけを買って帰りました。
   でもそれを見て、おばあさんが言いました。
  「おじいさん、いくらかわいいネコでも、ちゃんちゃんこや腹がけなんかしてはおかしいですよ」
  「いいや、そんな事はない」
  「いいえ、おかしいですよ」
   すると、さっきから二人の顔を見くらべていたネコが、おばあさんのひざの上に乗っかると、
  「ニャーウ」(似合う)
  と、ないたのです。
  「そうかい、そうかい。お前がそう言うのなら、着せてやるよ」
   おばあさんはネコに腹がけをさせ、ちゃんちゃんこを着せてやりました。
   すると、ほんとによくにあって、前よりもうんとかわいいネコになりました。
 まあ、ペット好き人は、誰でもこんな感じです。
おしまい