小学生童話 幼稚園・保育園の童話集 福娘童話集
ふくむすめどうわしゅう > しょうがくせいどうわ > 1ねんせいむけ > にほんみんわ > くわずにょうぼう
         メ ニ ュ ー

福娘童話集
にほん むかし ばなし
せかい むかし ばなし
にほん みんわ
イソップ どうわ
えど こばなし

おはなし  いちらん

しょうがくせい どうわ
こ う こ く
 


1ねんせいのにほんみんわ

食わず女房

くわずにょうぼう
ぐんまけん の みんわ

♪音声配信(html5)
朗読者 ; スタヂオせんむ

 むかしむかし、 あるところに、 とても けちな おとこが すんでいて、 いつも こういっていました。
「ああ、 しごとを うんとするが、 ごはんを たべない よめさんが ほしいなあ」
 そんなひとが いるはずないのですが、 あるとき、 ひとりの おんなが おとこのいえを たずねてきて、
「わたしは ごはんをたべずに、 しごとばかりする おんなです。 どうか、 よめに してくださいな」
と、 いうでは ありませんか。
 それを きいた おとこは おおよろこびで、 おんなを よめに しました。
 おとこの よめに なった おんなは、 とてもよく はたらきます。
 そして、 ごはんを まったく たべようと しません。
「ごはんは たべないし、 よく しごとを するし、 ほんとうに いいよめじゃ」
 ところが あるひ、 おとこは いえの こめだわらが すくなくなって いるのに きがつきました。
「おや? おかしいな。 よめは ごはんを たべないはずだし」
 とりあえず、 おとこは よめに きいて みましたが、
「いいえ。 わたしは しりませんよ」
と、 いうのです。
 あんまり へんなので、 つぎのあさ、 おとこは しごとに いくふりをして、 いえの てんじょうに かくれて みはっていました。
 すると よめは、 くらから こめを 1ぴょう かついできて、 どこからか もってきた おおきなカマで いちどに こめを たきあげました。
 そして しおを 1しょう(→1.8リットル) よういすると、 おにぎりを つぎつぎと つくって、 やまのように つみあげたのです。
(おまつりじゃ あるまいし、 あんなに たくさんの おにぎりを つくって、 どうするつもりだ?)
 おとこが ふしぎそうに みていると、 よめは あたまの かみのけを ほぐしはじめ、 あたまの てっぺんの かみのけを かきわけました。
 すると あたまの てっぺんが ザックリと われて、 おおきなくちが ひらいたのです。
 よめは そのくちへ、 おにぎりを ポイポイ、 ポイポイと なげこんで、 こめ1ぴょうぶんの おにぎりを ぜんぶ たべてしまいました。
 こわくなった おとこは ブルブルと ふるえましたが、 よめに きづかれないように てんじょうから おりると、 しごとから かえったような かおして いえの とを たたきました。
「おい。 いま、 かえったぞ」
 すると よめは、 いそいで かみのけを たばねて あたまの くちを かくすと、
「あら、 おかえりなさい」
と、 えがおで おとこを でむかえました。
 おとこは しばらく むごんでしたが、 やがて けっしんして いいました。
「よめよ、 じつは きょう、 やまに いったら やまのかみさまから おつげが あってな、 『おまえの よめは ええよめだが、 いえに おいておくと とんでもないことになる。 はやく いえから おいだせ』と、 いうんじゃ。 だから すまないけど、 でていってくれんか?」
 それを きいた よめは、 あっさりと いいました。
「はい。 でていけと いうのなら、 でていきます。 でも おみやげに、 ふろおけと なわを もらいたいのです」
「おお、 そんなもので いいのなら、 すぐに よういしよう」
 おとこが いわれたものを よういすると、 よめさんが いいました。
「この ふろおけの そこに あなが ひらいていないか、 みてもらえませんか?」
「よしよし、 みてやろう」
 おとこが ふろおけの なかに はいると、 よめは ふろおけに なわをかけて、 おとこを いれたまま かつぎあげました。
 ビックリした おとこが よめのかおを みてみると、 よめは なんと、 おにばばに かわっていたのです。
 おにばばは おとこを ふろおけごと かついだまま、 ウマよりも はやく かけだして、 やまへと はいっていきました。
(こ、 このままじゃあ、 ころされる! じゃが、 どうしたら?)
 おとこは どうやって にげようかと かんがえていると、 おにばばが きに よりかかって ひとやすみしたのです。
(いまじゃ!)
 おとこは その きのえだに つかまって、 なんとか にげだすことが できました。
 さて、 そうとは しらない おにばばは、 また すぐにかけだして おにたちがすむ むらへ とうちゃく しました。
 そして、 おおきなこえで なかまを あつめます。
「みんなこい! うまそうな にんげんを もってきたぞ」
 なかまの おにが おおぜい あつまって きましたが、 ふろおけの なかを のぞいてみると、 なかは からっぽです。
「さては、 とちゅうで にげよったな!」
 おこった おにばばは やまみちを ひきかえし、 すぐに おとこを みつけました。
「こらまてー!」
「いやじゃ! たすけてくれー!」
 おにばばの てが おとこの くびに かかる すんぜん、 おとこは くさむらへ とびこみました。
 すると おにばばは、 おとこの とびこんだ くさむらが こわいらしくて、 くさむらの なかに はいってこようとは しませんでした。
 おとこは ブルブルふるえながら、 いっしょうけんめいに ねんぶつを となえます。
 おにばばは くさむらの まわりを ウロウロしていましたが、 やがて あきらめて かえっていきました。
「た、 たすかった。 ・・・しかし、 なんで たすかったのじゃろう?」
 じつは おとこの とびこんだ くさむらには、 しょうぶ(→サトイモかの たねんせいそう。 はっぱは つるぎじょうで 80センチほど)が いっぱい はえていたのです。
 おにばばは しょうぶの はっぱが かたなに みえて、 はいって これなかったのです。
 そのひが ちょうど 5がつ5にち だったので、 いまでも 5がつ5にちの せっくには、 まよけとして やねへ しょうぶを さすところが あるのです。

おしまい

前のページへ戻る




       福娘のサイト

366日への旅
きょうの記念日
毎日の素敵な記念日をイラスト付きで紹介。
きょうの誕生花
毎日の誕生花を花写真付きで紹介。
きょうの誕生日・出来事
有名人の誕生日やその日の出来事と性格判断
       福娘のサイト

子どもの病気相談所
子どもの病気相談所
病気検索と対応方法、症状から検索するWEB問診
       福娘のサイト

世界60秒巡り
世界60秒巡り
世界の国旗・国歌・国鳥・観光名所などを紹介。
世界遺産巡り
日本と世界の世界遺産を写真付きで紹介。
都道府県巡り
47都道府県の豆知識。
県章、県鳥、県花、観光名所など。