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11月13日の日本民話
空飛ぶ人間
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むかしむかし、北海道の函館(はこだて)にある山のふもとに、大きな草原がひろがっていました。
春になって雪がなくなると、この草原にはたくさんの女の人や子どもたちがやってきて、草をつみながら持ってきた料理を食べて、一日を楽しくすごしていくのです。
ある年の日のこと、大きな屋敷にやとわれている男が、同じ屋敷につとめている女中(じょちゅう)や子どもたちを七、八人をつれて、草原にある藤巻石(ぶじまさいし)という大岩のところへ草つみにでかけました。
お昼ごはんを食べて薬になる野草があるところへいこうとすると、むこうの岩の上に、一人の男が立っているのが見えました。
大男で、背たけは二メートルほどもあります。
子どもたちが見つめていると、男は岩の上からとびあがって、空中へうきあがったのです。
それから両手を鳥の羽のようにゆっくり上下に動かしながら、山をこえて飛んでいきました。
「・・・・・・」
みんなはあっけにとられて、しばらく口もきけません。
そして急におそろしくなって、そのまま屋敷へ逃げ帰りました。
その後、子どもたちばかりか大人まで、空を飛ぶ男を見た全員が高熱を出して、二日ほど寝こんでしまったという事です。
おしまい