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2年生の世界昔話(せかいむかしばなし)
ジャックとマメの木
イギリスの昔話(むかしばなし) → イギリスのせつめい
♪音声配信(html5) |
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音声 得本綾(コトリボイス) ラジオHP |
むかしむかし、あるところに、ジャックという男の子が、お母(かあ)さんと一頭(いっとう)のウシを飼(か)ってくらしていました。
ジャックは毎朝(まいあさ)、ウシのミルクをしぼると、町へ売(う)りに行(い)っては、そのお金で暮(く)らしを助(たす)けていました。
けれど、そのウシも年を取(と)ったので、とうとうミルクを出さなくなってしまいました。
「しかたないわね。このウシを売(う)って、お金にかえましょう」
お母(かあ)さんにたのまれたジャックは、町までウシを引(ひ)いていくことにしました。
すると途中(とちゅう)で、一人のおじさんがジャックに声(こえ)をかけてきました。
「ぼうや、そのウシとこのマメをとりかえっこしないかい? これはね、魔法(まほう)のマメなんだよ」
「魔法(まほう)のマメだって! すごいや。うん、とりかえてもいいよ」
ジャックはマメを受け取(うけと)ると、よろこんで家(いえ)に戻(もど)りました。
その話(はな)しをきいたお母(かあ)さんは、ジャックをしかりました。
「まったく、こんなマメつぶとウシを取り替(とりか)えてくるなんて、あんたはどうかしてるよ」
「でも、魔法(まほう)のまめなんだよ」
「魔法(まほう)だなんて、うそに決(き)まっているじゃないの!」
お母(かあ)さんはマメを取(と)りあげると、ポイッと、まどの外(そと)に捨(す)ててしまいました。
ところが次(つぎ)の朝(あさ)、ジャックが目を覚(さ)ましてみると、お母(かあ)さんの捨(す)てたマメが、てっぺんが見えないほどの大きな木になっていたのです。
「ほら、やっぱり魔法(まほう)のマメだったんだ。・・・よし、上へのぼってみよう」
ジャックは、マメの木をドンドンのぼりました。
くもをこえても、マメの木はまだまだつづきます。
そしてとうとう、ジャックはてっぺんに着(つ)きました。
そこには、大きなお城(しろ)がありました。
ジャックがそのお城(しろ)をたずねてみますと、中から、おかみさんが出てきていいました。
「まあ、あなた、どうやってこんなところまできたの? ここはおそろしい、人食(ひとく)い大男の家(いえ)よ。はやくお家(うち)に帰(かえ)りなさい」
その時(とき)、大男の足音が聞(き)こえてきました。
「しかたがないわ、こっちにいらっしゃい」
おかみさんは、ジャックを台所(だいどころ)のかまどにかくしてくれました。
そこに、大男が帰(かえ)ってきました。
ものすごい大男で、手には三頭(3とう)のウシをぶら下げています。
「クンクン、おや? 人間(にんげん)のにおいだ。人間(にんげん)の子どものにおいがするぞ」
「あら、そんなことありませんよ。人間(にんげん)の子どもは、おととい食(た)べたばっかりではありませんか」
おかみさんに言(い)われて、大男はとなりのへやに行(い)きました。
大男は金貨(きんか)の入った袋(ふくろ)を2つ取り出(とりだ)すと、中の金貨(きんか)を数(かぞ)え始(はじ)めましたが、そのうちにねむってしまいました。
「あの金貨(きんか)があれば、お母(かあ)さんがよろこぶぞ!」
ジャックはかまどを出ると、大男の金貨(きんか)の袋(ふくろ)を1つかついで、いそいで家(いえ)に帰(かえ)りました。
金貨(きんか)の袋(ふくろ)を見て、お母(かあ)さんは大よろこびです。
しばらくたって、ジャックはまたマメの木をのぼって、大男の家(いえ)にやってきました。
ジャックがかまどに隠(かく)れていますと、大男はおかみさんに言(い)いました。
「金の卵(たまご)を産(う)むメンドリをつれてこい」
おかみさんがメンドリを連(つ)れてくると、大男はテーブルの上で、金の卵(たまご)をうませました。
それをみると、大男はまた、ねむってしまいました。
「いまだ!」
ジャックはメンドリを抱(かか)えると、そのまま家(いえ)に帰(かえ)りました。
金の卵(たまご)を産(う)むメンドリのおかげで、ジャックはたちまちお金持(かねも)ちになりました。
でも、ジャックはまだ、まんぞくしていません。
ほかにも宝物(たからもの)があると思(おも)って、またまた大男の家(いえ)にやってきました。
ジャックがかまどに隠(かく)れていますと、大男は金のたてごとを持(も)ってきました。
そのたてごとは大男が命令(めいれい)すると、ひとりでに音楽(おんがく)をかなでます。
大男はそのたてごとの音色(ねいろ)を聞(き)きながら、またねむってしまいました。
「よし、今度(こんど)は、あのたてごとだ!」
ジャックはたてごとをつかむと、いちもくさんに逃(に)げました。
その時(とき)です。
「だんなさま、ドロボウですよ!」
おどろいたことに、たてごとが大声(おおごえ)でしゃべったのです。
「なに! 小僧(こぞう)、きさまだな。金貨(きんか)とメンドリをぬすんだのは! そして今度(こんど)は、大切(たいせつ)なたてごとをぬすむというのか。ゆるさん、食(く)ってやる!」
大男は、ジャックを追(お)いかけてきました。
ジャックは大急(おおいそ)ぎでマメの木をおりると、お母(かあ)さんに言(い)いました。
「はやく、はやく! オノを持(も)ってきて!」
ジャックはお母(かあ)さんからオノを受け取(うけと)ると、マメの木を切(き)りたおしました。
「あーーーーっ!」
マメの木からおりようとしていた大男は、高(たか)い空の上から落(お)ちてしまい、そのままどこかへ消(き)えてしまいました。
それからジャックは、かわいいお嫁(よめ)さんをもらって、お母(かあ)さんと三人でいつまでも幸(しあわ)せにくらしました。
おしまい
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