|
|
1ねんせいのせかいむかしばなし
まほうの ぼだいじゅ
ロシア の むかしばなし → ロシア の せつめい
むかしむかし、 あるむらに、 びんぼうな おひゃくしょうさんが いました。
「おお さむい! まきを さがしにいこう」
おひゃくしょうさんは オノを かつぎ、 もりへ いきました。
「これは すばらしい きだ! オノを あてると、 コツコツと いいおとがするぞ。 これは ぼだいじゅ(→おしゃかさまが さとりを ひらいたと いわれる、 クワかの じょうりょくこうぼく)だな」
オノを ふりあげ、 きろうとすると、
「きらないで! ほしいものは なんでもあげるから」
と、 ぼだいじゅが、 にんげんのこえで いいました。
「それじゃ、 おれを ほかのおひゃくしょうさんより かねもちに してくれ」
「いえへ かえってごらん。 のぞみは かなってるよ」
おひゃくしょうさんが かえってみると、 あたらしい いえには ウマがいて、 こやには おこめが やまほど ありました。
「すごいや! なんと、 おかみさんまでいるぞ! ・・・けど、 あのかおは きにいらないや。 そうだ、 ぼだいじゅのところへいって はなしてみよう」
おひゃくしょうさんは オノをもってでかけ、 ぼだいじゅの きを コンコンと たたきました。
「なにが ほしいんだね?」
「もっと きれいな おかみさんに しておくれ」
「いえへ かえって ごらんよ 」
おひゃくしょうさんが かえると、 きれいなおかみさんが まっていました。
おひゃくしょうさんは おおよろこびしましたが、 でもすぐに、 つぎの ほしいものが こころに うかびました。
「かねもちの おひゃくしょうに はなったが、そんちょうに なれたら もっといいなあ」
おひゃくしょうさんは オノをもって、 でかけました。
「おひゃくしょうさん、 こんどは なにが ほしいのかね?」
おひゃくしょうさんは、 ぼだいじゅの きに たのみました。
「かねもちには なったが、 そんちょうには あたまがあがらない。 だから そんちょうに なってみたいんだよ」
「いえへ かえってごらん。 のぞみは かなってるよ」
いえに かえると、 おおさまから 1まいの かみが とどきました。
《おまえを そんちょうに する》
おひゃくしょうさんは そんちょうに なったとたんに、もう、 つぎのよくが でてきました。
「おれは、 きぞくに なってみたいなあ」
おひゃくしょうさんは また、 もりへ いきました。
「おやおや、 またか。 なにが ほしいんだね?」
「えらい きぞくに なりたいなあ」
「いえへ かえってごらん。 のぞみは かなうよ」
いえに かえると、 おうさまのつかいが しらせを もってきました。
《おまえを きぞくに する》
きぞくに なると すぐ、 つぎのよくが でました。
「おうさまに なりたいもんだなあ」
おひゃくしょうさんは もりへ でかけ、 きを たたきました。
きは、 いやなこえをして たずねました。
「またか。 ・・・こんどは、 なにが ほしいのかな?」
「おうさまだ。 なんといっても、 おうさまは だれよりも えらいんだ。 おうさまには なれないものかね?」
すると きは、 おおきなこえで どなりました。
「このよくばりめ! かねもちの つぎは そんちょう、 そんちょうの つぎは きぞく、 きぞくの つぎは おうさまだと! どうせ おうさまの つぎは かみさまだろう。 これいじょう のぞむと、 おまえは なにもかも なくしてしまうぞ!」
しかたなく おひゃくしょうさんは、 きぞくで がまんをしました。
おしまい
|
|
|