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1ねんせいのせかいむかしばなし
エンドウまめの うえの おひめさま
アンデルセンどうわ → アンデルセンどうわ の せつめい
むかしむかし、 あるくにに おうじさまが いました。
おうじさまも としごろで、 そろそろ、 おきさきを むかえたいと おもいました。
けれど おうじさまに ふさわしい おきさきは、 ほんものの かんぜんな おひめさまでなくては なりません。
そこで おうじさまは、 せかいじゅうを たびしてまわり、 どこからみても かんぜんな おひめさまを さがしました。
ところが、 どのおひめさまも、びじんで なかったり、 ひんが なかったりして、 どうしても おうじさまの おめがねに かないません。
おうじさまは ガッカリして くにへ もどると、 すっかり きもちが しずんでしまいました。
そんな あるよるのこと、 ひどいあらしの なかを だれかが たずねてきました。
しろのものが あけると、 あめに ぐっしょりぬれた ひとりの むすめが たっていました。
「わたしは、 おうじさまが おさがしに なっている、 ほんものの ひめです」
むすめが そういうので、 そのよるは しろに とめてやることに しました。
「ほんとうの おひめさまか どうかは、 すぐに わかることですよ」
おうじさまの おかあさんは そういうと、 むすめのベッドに ちょっとした くふうを しました。
まず ひとつぶの エンドウまめを おき、 そのうえに しきぶとんを 20まいも かさねて、 さらに20まいの はねぶとんを かけたうえに、 むすめを ねかせたのです。
つぎのあさ、 おかあさんは むすめに、 ベッドの ねごこちは どうだったか たずねました。
すると むすめは、 ねむそうなめを こすりながら、
「せっかくの おもてなしですが、 ねごこちが わるくて、 すこしも ねむれませんでしたわ」
と、 こたえたのです。
おかあさんは さらに ききました。
「ねごこちが わるいと いいましたが、 どのように わるかったのですか?」
「はい。 ベッドのしたに、 なにかが はいっていたのでは ありませんか。 せなかに あざが ついてしまいました」
おかあさんは、 むすめが ほんとうの おひめさまだと おもいました。
だって、 たったひとつぶの エンドウまめで あざが できてしまうなんて、 ふっくらしたベッドでしか ねたことのないひとに きまっています。
こうして おうじさまは、 やっとほんものの かんぜんな おひめさまを、 おきさきとして むかえることが できたのです。
おしまい
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