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6月18日の世界の昔話
むすびこぶ
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むかしむかし、ひとりの娘がいました。
この娘はとても美人ですが、たいへんななまけもので、だらしのない女でした。
糸をつむぐときに、アサのなかに小さいむすびこぶ(→繊維のかたまり)でもあると、もういやになってしまって、そのもつれた玉ぜんたいをひきちぎって、わきにほうりだしてしまうのです。
ところが、そこの家にひとりの女中(じょちゅう)がいましたが、この女中さんははたらきもので、娘がすてたアサくずをひろいあつめると、それをあらってじょうずにつむいで、きれいな着物におってもらいました。
さて、あるわかい男の人が、そのなまけものの娘をお嫁さんにほしいといって、いよいよ結婚式をあげることになりました。
そのまえいわいの晩に、はたらきものの女中さんが、きれいな着物をきてたのしそうにおどっていますと、花よめがいいました。
「あの女中、あたしの糸くずの着物をきているのよ」
それをきいたおむこさんが、
「それはどういう意味だね?」
と、花よめさんにたずねました。
そこでお嫁さんは、
「あの女中はわたしがすてたアサくずでおった着物をきているのです」
と、説明したのです。
「それは、なんとすばらしい」
おむこさんはこれをきくと、娘さんがなまけもので、あのまずしい少女がはたらきものであることを知りました。
そこで娘さんとの結婚をことわると、あの女中さんのところへいって、彼女をお嫁さんにえらんだのでした。
おしまい