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12月21日の世界の昔話
ほらふき男爵 寒い冬の大グマ退治
ビュルガーの童話 → 詳細
わがはいは、ミュンヒハウゼン男爵(だんしゃく→詳細)。
みんなからは「ほらふき男爵」とよばれておる。
以前、火打ち石二つで大グマを退治したはなしをしてやったが、大グマ退治のはなしには、こんなものもあるぞ。
これも、さむい冬のポーランドの森の中でのこと。
わがはいはかりに失敗して、大グマにおいかけられておった。
そしてようやく、一本の木を見つけてよじのぼったのじゃ。
だが、うんのわるい時はしかたのないもので、あわててのぼるひょうしに、大切な短刀をえだに引っかけておとしてしまった。
大グマは、木の回りをグルグル回って、すこしもあきらめようとはせん。
だが、鉄炮も短刀もなくては、さすがのわがはいもどうすることもできん。
その時、わがはいは急におしっこがしたくなった。
人間というものは、緊張(きんちょう)するとおしっこがしたくなるものじゃ。
きみらも、運動会の本番前に、トイレに行きたくなった事があるじゃろう。
わがはいは、大グマにおしっこをかけてやろうかと思ったが、そんなことをしても、大グマを怒らせるだけじゃ。
それでわがはいは、ある名案を思いつき、おしっこを木の下におとした短刀めがけてふらせたのじゃ。
すると、思った通りのことがおこった。
おしっこはさむさのためにたちまちこおりつき、短刀までのびる、長いつららとなったのじゃ。
ちときたないが、わがはいはおしっこのつららを引っ張り上げて、つららの先についている短刀を取り戻すことに成功した。
「よし、これでだいじょうぶ!」
ホッとひとあん心した時、つぎのきけんがせまっていた。
なんと大グマが木をよじ上って、わがはいのすぐ下まできていたのじゃ。
だが、すでに短刀はわがはいの手の中。
わがはいは大グマがおそいかかる前に、短刀で大グマののうてんをつらぬいてやったわい。
こうして、わがはいは大グマをしとめたのじゃ。
では、また次の機会に、別の話をしてやろうな。
おしまい