ふくむすめ童話集 > 小学生童話(しょうがくせいどうわ) > 世界昔話用語集(せかいむかしばなしようごしゅう) > 悪魔
悪魔(あくま)
仏教的(ぶっきょうてき)には、悪魔(あくま)という語(ご)は仏教語(ぶっきょうご)で、サンスクリットの「殺(ころ)す者(もの)」という意味(いみ)の語(ご)マーラに由来(ゆらい)し、悟(さと)りをめざす修行者(しゅぎょうしゃ)をさまたげる悪神(あくしん)のことです。
また、人間(にんげん)の欲望(よくぼう)は修行(しゅぎょう)をさまたげるので、しばしば欲望(よくぼう)そのものをさす場合(ばあい)もあります。
しかし一般(いっぱん)に悪魔(あくま)という場合(ばあい)、西洋(せいよう)のデビル(Devi)をさし、ユダヤ教(きょう)やキリスト教(きょう)で、邪悪(じゃあく)な霊的存在(れいてきそんざい)の最(さい)たるものと信(しん)じられ、長い間(ながいあいだ)、邪悪(じゃあく)な王国(おうこく)を支配(しはい)し、神(かみ)と対立(たいりつ)しつづけてきました。
デビルという語(ご)は「中傷的(ちゅうしょうてき)な」という意味(いみ)のギリシャ語(ご)diabolosに由来(ゆらい)し、ヘブライ語(ご)のha-satan(サタン)の訳語(やくご)にあてられました。
サタンは、もともと神々(かみがみ)の裁判所(さいばんしょ)における官職(かんしょく)の名称(めいしょう)で、彼(かれ)らは地上(ちじょう)にやってきて人々(ひとびと)を監視(かんし)し、もし地上(ちじょう)に罰(ばっ)すべきものがなにも発見(はっけん)できないときには、人々(ひとびと)をそそのかして悪(わる)い行為(こうい)をするようにしむけたのです。
このように人間(にんげん)の敵(てき)としてふるまうので、神々(かみがみ)の一員(いちいん)でありながら、神(かみ)とはちがう存在(そんざい)とみられました。
悪魔(あくま)の姿(すがた)は一般的(いっぱんてき)に、三角(さんかく)のついた尻尾(しっぽ)と角(つの)をもち、背中(せなか)にコウモリの羽根(はね)があったり、半獣(はんじゅう)として表現(ひょうげん)されています。
悪魔(あくま)はこわい存在(そんざい)ですが、昔話(むかしばなし)に出(で)てくる悪魔(あくま)はどこかマヌケで、かしこい人間(にんげん)にだまされたりします。
また、「あわれな悪魔(あくま)」に出(で)てくる悪魔(あくま)のように、よいことをする悪魔(あくま)もいます。
悪魔(あくま)が登場(とうじょう)する、主(おも)な世界昔話(せかいむかしばなし)。
・雪(ゆき)の女王(じょおう)
・イワンのバカ
・パンを踏(ふ)んだ娘(むすめ)
・銀(ぎん)の鼻(はな)
・あわれな悪魔(あくま)