昔話の英語《Hukumusume fairy tale collection》昔話の英語 Japanese & English昔話の英語《Hukumusume fairy tale collection》 Hukumusuem fairy tale collection
 


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>にほんのむかしばなし(Japanese classical stories)

朱の盤の化け物

しゅ の ばん の ばけもの
Shunoban Monster


(にほんのむかしばなし)
(Japanese classical stories)

ほんやく(Translation) ちいさな翻訳屋さん

♪にほんごのろうどく(Reading in Japanese)
♪えいごのろうどく(Reading in English)
TIME 3:49 ろうどく 『Web団 零点』
TIME 5:08 Reading Google Translate



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 むかしむかし、たび の さむらい が ひとり、むらはずれ の さみしい のはら に さしかかりました。
 Once upon a time, there was a traveling samurai walking into a deserted grass field in the suburb of a villege.

 この あたり には、『しゅ の ばん』と よばれる ようかい が でる との うわさ です。
 There was a tumor that a monster called Shunoban lived around this area.

「ああ、ひ は くれてくるし、こころぼそい なあ。ばけもの に あわねば よいが」
“Oh, the sun is setting. I feel lonely. I hope I won’t run into a monster.”

 さむらい が あし を はやめる と、
 When the samurai hurried his steps,

「しばらく、おまち くださらんか」
“Could you wait up for me?”

と、うしろ から、よびとめる もの が います。
 somebody called from behind.

 さむらい が おそるおそる ふりかえる と、そこ に いたのは じぶん と おなじ ような たび の さむらい でした。
 When the samurai carefully looked back, there was a samurai who was traveling like himself.

 あみがさ を かぶって いる ので かお は わかりません が、さむらい に まちがい ありません。
 It was hard to recognize his face because he was wearing a hat made of braided straw but he definitely looked like a samurai.

「さしつかえ なければ、ごいっしょ ねがいたい のですが」
“If you don’t mind, could I go with you?”

「そうですか。じつ は わし も みちづれ が ほしかった のです。
“Sure. In fact, I wanted a company myself too.”

 この あたり には『しゅ の ばん』 とか いう ばけもの が でる との うわさ ですから。・・・きいた こと が ありませんか?」
 Rumor has it that there is a monster called Shunoban around here. Haven’t you ever heard of it?”

 すると、あと から きた さむらい が、
 Then the other samurai said,

「ああ、きいた こと が ありますよ。
“Yes, I’ve heard of it.

 なんでも それは、こんな ばけもの だそうで」
 I heard it’s a monster like this.”

と、いって、かぶっていた あみがさ を、パッ と とりました。
 Then he suddenly took off his hat.

 すると そこから あらわれた のは、ごばん の ように かくばって いる、しゅ に そまった、まっかな かお で、
 What appeared there was a red square face

 かみのけ は まるで はりがね の ように ごつごつ しており、おおきな くち は みみ まで さけています。
 and the hair was wiry and the big mouth was slashed to its ears.

 そして ひたい には、つの が はえて いました。
 And there was a horn growing from its forehead.

 これは まさしく、しゅ の ばん の ばけもの です。
 This is the Shunoban monster for sure.

 さむらい は、
 The samurai said,

「うーん!」
“Mmm…”

と、め を まわして、きぜつ してしまいました。
and then he passed out.

 そして しばらく してから、はっ と われ に かえった さむらい は、むがむちゅう で のはら を かけぬけて いき、
 Later on, the samurai came to senses and ran feverishly through the grass field

 やがて みえてきた いえ に とびこみました。
 and he found a house and rushed in there.

「おたのみ もうします!」
“Hello?”

 すると その いえ には、おかみさん が ひとり いるだけでした。
 There was only a housewife in the house.

「まあまあ、いかがなされた の ですか?」
“Well, what’s the matter?”

「まず は みず を いっぱい、のませて いただきたい」
“Could I have a glass of water?”

「はい、ただいま さしあげますよ」
“Sure. I’ll get you right away.”

 おかみさん は だいどころ の みずがめ の ひしゃく を とって、さむらい に わたしました。
 The housewife took a ladle out of the water jar in the kitchen and handed it to the samurai.

 いっき に それ を のんだ さむらい は、おかみさん に はなしました。
 The samurai drank down the water and told the housewife what happened to him,

「じつ は、のはら で みちづれ が できた と おもったら、しゅ の ばん の ばけもの だったのです」
“I thought I got a company in the grass field but it turned out to be Shunoban monster.”

「おや、それは おそろしい もの に あいましたね。
“Oh, dear. What a horrible monster you met.

 しゅ の ばん に あうと、たましい を ぬかれる と いいますから。
 It is said that if you met Shunoban, your soul might be taken.

 ・・・して、その しゅ の ばん と いう のは、もしや、こんな かお では ありません でしたか?」
 By any chance, did Shunoban look like this?”

 おかみさん は、ひょいっ と かお を あげました。
 The housewife suddenly raised her head.

 そこに あった のは、しゅ に そまった しかくい かお に、みみ まで さけた くち に、はりがね の ような かみのけ に、ひたい の つの です。
 What appeared there was a red square face with the mouth slashed to the ears, wiry hair, and a horn from the forehead.

「うーん!」
“Mmm…”

 さむらい は、またまた きぜつ してしまい、つぎ の ひ に なって われ に かえりましたが、
 The samurai passed out again and came to his senses the next day,

 しゅ の ばん に たましい を ぬかれた のか、みっかご に しんで しまった と いうことです。
but unfortunately, he was said to be dead probably because his soul was taken by Shunoban.

おしまい
The end

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