8月10日のイソップ童話
年をとったライオンとキツネ
年よりのライオンがいました。
ライオンはからだが弱っていたので、もう、若いころのように走って狩りをするのがめんどうでした。
そこでいいことを思いつき、こんなおふれを動物たちに出しました。
《動物の王であるわたし『ライオン』は病気になってしまった。わたしの見舞いにどうくつまで来た者には、ほうびと高い位をさずけよう》
そして見舞いに来た動物たちを、ライオンは片っ端から食べてしまいました。
しかし、キツネだけは来ませんでした。
ライオンはキツネに、なぜこないのかとたずねました。
すると、頭のいいキツネは答えました。
「はい、どうくつに入ったみんなの足あとはのこっているのですが、どうくつから出た足あとはひとつもありません。きっと、どうくつからどうやって出たらいいのか、みんな分からなかったのでしょう。わたしも分からなくなるとこまるので、いきませんでした」
「・・・・・・」
さすがのライオンも、これには何も言い返せませんでした。
このように頭のよい人は、ちょっとしたヒントから危険をさっちし、危ない目にあわずにすむのです。
おしまい
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