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10月4日の日本の昔話
山の背比べ
山个高度比賽
福妹日本童話集 (臺灣客語.海陸腔) 翻譯:鄧文政(ten33 vun55 zhin11)
むかしむかし、ある山が自分の背の高さを自慢しました。
頭擺頭擺,某隻山為著自家个高度感覺當沙鼻。
「やっぱりぼくの方が、お前よりも高いようだな」
「總講𠊎,還係比你較高哪。」
「どうして?」
「仰般恁樣講?」
「どうしてって、ぼくはお前の頭の上のが、見えるんだもの」
「還仰般!𠊎在你个頭那頂高,看得著你个頭那頂哦。」
「それなら、ぼくだって見えるさ。いいや、お前だけじゃなくて、みんなの頭の上が見えるよ。だから、もしかするとぼくは日本中で一番高い山かもしれないね」
「若係恁樣,連𠊎自家个頭那乜看得著,毋著,毋單淨你个,全部山个頭那頂都看得著。無定著𠊎係全日本最高个山。」
「日本中で、一番だって?!」
「全日本最高个山?!」
それを聞いて、他の山たちも集まってきました。
聽著佢恁樣講,其他个山就擠過來。
「お前のようなチビ山の、どこが一番なんだ?」
「像你樣恁矮个山,哪位打第一?」
「そうさ、一番は、このおれさ」
「係哪,第一名就係𠊎。」
「何だと、おれに決まっているだろう!」
「講麼个,決定係𠊎哪!」
「よーし、誰が一番高い山か、比べっこしよう」
「好,麼人最高,來比看啊仔。」
こうして山たちは背比ベをしようとしたのですが、そこで困った事に気がつきました。
所以該兜山開始比高,毋過煩勞个事發生了。
いったいどうやって、どちらが高いかを比べたらいいのでしょうか?
愛仰般做正比得出麼儕較高?
みんな大きな山なので、近くに並べるわけにはいきません。
「全係大山,無法度排兼來比。」
「どうしようか?」
「仰仔來做較好哪?」
山たが困っていると、人間たちが言いました。
該兜山無結無煞,人類就講︰
「それなら長い長いといをつくって、それを背比ベする山と山のてっペんにのせるんですよ。そして雨が降るのを待つのです。水は低い方へ流れていきますから、といにたまった水が流れてきた方が低いの山です」
「無斯做一支長長个水筧仔,架在比高个山崠頂,等落水,水會向較低个位所流過去,水筧仔積水該片斯係較矮个山。」
「なるほど、それはいい考えだ」
「有影哦,該係當好个想法。」
そこで人間たちは、背比べをする山から山へ長いといをかけました。
人類就在比高个崠頂架長長个水筧仔。
しばらくすると雨が降ってきて、といにたまった水が流れはじめました。
無幾久就開始落水,水筧仔肚承著个水開始流了。
「やったー!ぼくのところへは流れてこないぞ!ぼくが一番高い山なんだ。・・・あれ?」
「贏了!無流到𠊎這片,𠊎係最高个山。‧‧‧該?」
そう言っているところへ、別のといから水が流れてきました。
講等、講等,別支水筧仔个水流過來了。
「ははーん。一番高いのは、お前じゃあない。一番高いのは、このおれさ。なにしろおれのとこめには、水が流れて来ないからね」
「hahan!一等高个山毋係你。一等高个山係𠊎得斯。𠊎个水筧仔仰會無水流過來呢。」
「うーん、しかたがない。お前が日本で一番高い山だ」
「m11,無法度,你係日本一等高个山。」
こうしてとうとう、日本一高い山が決まったと、みんなは思いました。
斯恁樣,日本一等高个山決定忒了,大家都恁樣想。
すると、その時です。
斯在該當時,
ズシーン!!
颼,踫聲!!
ものすごい音とともに、大きな大きな山が飛んで歩いてきました。
一聲當大聲,同時一座大山飛過來。
「なっ、なんだ、あの大きな山は!」
「仰,仰會恁樣,該座大山!」
おどろく山たちに、その大きな山が言いました。
該座大山對驚到會死个該兜山講:
「やあ、ぼくは富士山さ。山の大きさ比べをしていると聞いて、ここまで飛んできたんだ。どうだい、ぼくより大きい山はいるかい?」
「ya~,𠊎係富士山,聽講你兜在該比大細,𠊎正會飛到這來,仰般,有比𠊎較大个無?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「‧‧‧‧‧‧」
「‧‧‧‧‧‧」
背比べしていた山たちは、はずかしくて何も言えませんでした。
該兜比高个山試著當見笑,講毋出話來。
こうして富士山が、日本一高い山となりました。
斯恁樣,富士山變日本一等高个山。
ちなみに、ジャンプしてきた富士山が着地した場所は大きくへこんで、そこに水がたまって今の琵琶湖(びわこ)が出来たそうです。
順續講下,跳過來个富士山,在搭地个位所,塌下去一隻大窟,張當多水,就係今晡日个琵琶湖。
おしまい
煞咧
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