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10月21日の小話
頭痛のもと
この村の庄屋(しょうや→村長)のおかみさんは、有名なかんしゃく持ち(→すぐに怒る事)です。
朝から晩まで一日中ぐちをこぼしては、相手かまわず大声で怒鳴り立てるのです。
ある日の事、おかみさんは村の世話役(せわやく)のところへ行って、いつものようにぐちをこぼし始めました。
亭主(ていしゅ)の夜遊びや、自分の悩み事や、他人の悪口まで、一方的にペラペラペラペラしゃべったあげく、ワアワアと泣き出すしまつ。
そのあいだ世話役は、ただだまっておかみさんの話を聞いていました。
やがて気がすんだのか、おかみさんは急にけろっとした顔になって言いました。
「おかげで、頭の痛いのが治りました。では、そろそろおいとまいたします」
すると世話役は、頭をかかえて言いました。
「おかみさん、頭の痛いのは治ったのではなく、どうやらわしにうつったようです」
♪ちゃんちゃん
(おしまい)
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