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第 212話

浦島子(うらしまこ)

浦島子(うらしまこ)
京都府の民話京都府情報

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 これは、京都に伝わる浦島伝説です。

 むかしむかし、丹後の国(たんごのくに→京都府北部)の筒川(つつかわ)に、浦島子(うらしまこ)という美しい若者がいました。
 ある日の事、島子が沖に出て釣りをしていると、七色に光るきれいな亀が釣れました。
「ほう、これは珍しい」
 島子はその亀を舟に入れたまま、その夜は舟で眠る事にしたのです。
 ところが夜中、どこから現われたのか、美しい娘が島子をゆり起こして言います。
「島子さん。島子さん。どうか私の住んでいる蓬来山(ほうらいさん)まで、お越し下さい。どうか目を閉じて、私の言う通りに舟をこいで下さい」
 島子は驚きながらも、娘に言われた通り目を閉じて舟をこぎ出しました。
 そしてしばらくすると、
「島子さん。もう目を開けてもいいですよ」
と、娘が言うので、島子が目を開けてみるとどうでしょう。
 そこは、美しい宮殿の前だったのです。
 宮殿の中からは心地よい音楽が流れて、たくさんの侍女たちが島子を出迎えてくれました。
「亀姫さま、お帰りなさいませ」
 どうやらこの美しい娘は、この宮殿のお姫さまのようです。
 島子は亀姫さまの宮殿で毎日おいしいごちそうを食べ、侍女たちの舞いや音楽に時の立つのを忘れるほど楽しい日々を送りました。
 そしてとうとう、三年の月日が流れました。
(もう三年か。みんな、どうしているかな)
 島子は故郷の筒川が恋しくなり、亀姫さまに言いました。
「姫さま。わしは、故郷へ帰りとうなりました。お願いです。どうか故郷に帰して下さい」
 すると亀姫さまは、一つの箱を島子に渡して言いました。
「おなごり惜しいですが、帰りたいと言うのなら仕方ありません。
 ですが、この『時の箱』を持って行って下さい。
 これを持っている限り、決して老いる事はありませんから。
 そのうちに、またあなたを迎えに行きます。
 それまではどんな事があっても、決してこの『時の箱』を開けないで下さいね」
 こうして島子は再び亀姫さまと一緒に舟に乗ると、来た時と同じ様に目を閉じて舟をこいだのです。
 そして目を開けると、そこはもう島子の故郷の水江(みずえ)でした。
 島子は舟から降りて、自分の家を探しました。
 しかし不思議な事に島子の家はどこにもなく、村人たちも知らない人ばかりです。
(もしかして、違うところに来たのかな?)
 そこで島子は、近くの村人に尋ねました。
「あの。ここは水江の浦(うら)でしょうか?」
「はい。その通りですよ」
「それなら、浦島子の家はどこでしょうか?」
「浦島子? ・・・ああ、そう言えば三百年ほどむかしに、浦島子という若者が釣りに出たまま帰って来なかったと聞いた事はあるが」
 この話を聞いた島子は、全ての事がわかりました。
「そうか。あの宮殿は竜宮城で、姫さまは乙姫だったのか。それで三年のつもりが、三百年もたっていたのか」
 島子は急に悲しくなり、開けてはいけないと言われていた『時の箱』を、つい開けてしまったのです。
 するとその途端、『時の箱』に閉じ込められていた時が煙になって吹き出して、それを浴びた島子は白髪頭の老人の姿になって死んでしまったのです。

おしまい

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