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4月18日の世界の昔話
神さまのけだものと悪魔のけだもの
グリム童話 →グリム童話の詳細
むかしむかし、神さまがオオカミをつくって、自分のペットにしました。
それを見た悪魔(あくま)も自分のペットが欲しくなって、長い尻尾のヤギをつくったのです。
ところがヤギが草原ヘ出かけると、決まって長い尻尾がイバラに引っかかってしまいます。
そのたびに悪魔はイバラの中に入って、ヤギを引き離してやるのに大変な苦労をしなくてはなりませんでした。
何度も何度もそんな事が続いたので、怒った悪魔はヤギの長い尻尾を一本残らずかみ切ってしまいました。
こんなわけで、ヤギの尻尾は短くなってしまったのです。
さて、ある日の事。
悪魔のペットのヤギが、1人で草を食ベに出かけました。
ところがヤギは、神さまが大事に育てているブドウの木を食べ散らかしてしまったのです。
それを知った神さまのペットのオオカミが、そのヤギをこらしめたのでした。
悪魔はそれを知ると、神さまの前に進み出て、
「あなたのおつくりになったけだものが、わたしのつくったヤギを痛めつけました」
と、言いました。
そこで神さまは、
「お前はどうして、あんな害になるものをつくったのだ!」
と、怒りました。
「仕方ありませんよ。何しろわたしは、害になる事ばかり考えているのですから。それよりも、わたしのヤギを痛めつけてくれたおわびに、たくさんのお金を払ってもらいます」
と、悪魔は言いました。
「よしよし、カシワの葉っぱが落ちたら払ってやろう。そしたらおいで。すぐにお金を払うから」
やがてカシワの葉が落ちてしまうと悪魔がやって来て、約束のお金を払ってくださいと言いました。
ところが神さまは、
「コンスタンチノープル(→イスタンブールの旧称)のお寺に、カシワの大木が一本あるが、あの木の葉っぱはまだすっかり残っているぞ」
と、言うのです。
悪魔は神さまの前を引き下がると、そのカシワの木を探し出す事にしました。
ところが六か月も荒れ野の中をさまよって、やっとその木を探し出した頃には、ほかのカシワの木がまた青々とした葉っぱをつけているのでした。
腹を立てた悪魔は、八つ当たりにペットのヤギの目玉を取ってしまいました。
でも、さすがに悪いと思ったのか、悪魔は自分の目玉をヤギにつけてやりました。
そんなわけでヤギの尻尾は短く、悪魔の様な目をしているのです。
おしまい
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