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3月6日のイソップ童話
  
  
  
しっぽを切られたキツネ
    美しいしっぽがじまんのキツネが、ワナにはさまれてしっぽを切られてしまいました。キツネははずかしくて、もう生きていられないと思うほどでした。
  「しかし」
  と、キツネは考えました。
  「もしも、なかまのキツネがぜんぶしっぽを切れば、おれのこのみっともない姿も目立たなくなる。よし、みんなにしっぽを切るようにすすめてみよう」
    こう決心したキツネは、なかまをぜんぶあつめて、
  「きみたち、そんな長いしっぽはみぐるしくて、重たいだけじゃないか。切ってしまった方が楽だぜ」
  と、いいました。
    するとなかまの一ぴきがいいました。
  「おいおい、そうやればきみが得するからそういうんだろ」
  「・・・」
  
    この話は、なかまのためではなく自分の利益のためになかまへ忠告しても、だれも聞いてくれない。ということをおしえています。
おしまい