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5月13日のイソップ童話
けちんぼう
けちんぼうが、自分の財産を金にかえて、その金の固まりをある場所にうめました。
そうすると、けちんぼうは自分の生きがいも元気も、ぜんぶ金の固まりといっしょにうめたような気持ちになってしまいました。
それで毎日、うめた宝を見に行きました。
1人の職人が、毎日やってくるけちんぼうを観察して、なぜ来るのかを見破りました。
そこで、けちんぼうがかえった後で、土をほりおこし、金の固まりをぬすんでしまいました。
次の日、けちんぼうが来てみますと、穴はからっぽになっていました。
けちんぼうは髪の毛をかきむしって、おいおい泣き出しました。
泣いているけちんぼうを見た人が、心配して声をかけましたが、わけを知ると、
「なぁんだ、それじゃあ、泣くことはないでしょう。だってあなた、金の固まりがあったときも、持っていないと同じだったのだから。石ころを持ってきて、金の固まりのかわりにうずめなさい。そして、それが金の固まりだと思っていればいいじゃありませんか。石ころが金の固まりの役をはたしてくれますよ。あなたは金がそこにあったときも、金をちっとも役立てなかったらしいからね」
この話は、つかって楽しまなければ、どれほどの金持ちでも、貧乏人と同じだということをおしえています。
おしまい