世界のわらい話 第39話
美しい鳥コンテスト
むかしむかしのお話しです。
ある日、神さまは一番美しい鳥を決める『美しい鳥コンテスト』をしようと思いつきました。
そして、一番美しい鳥には、鳥の王さまの位を与えようと言いました。
それを聞いた鳥たちは大騒ぎ。
「やっぱり、クジャクさんが一番綺麗だよ」
「あら、スタイルが良いのは白鳥さんよ」
「いや、鳥はやっぱり歌声が綺麗でなくちゃね。ウグイスさんが選ばれるかもしれないね」
みんな、わいわい言いながら、美しくなろうと一所懸命に川で羽を洗いました。
でもカラスだけが、その仲間に入りませんでした。
カラスは、全然面白くありませんでした。
自分があまり格好良くなくて、羽の色も歌声も綺麗じゃない事を知っていたからです。
しょんぼり川べりを飛んでいると、みんなの抜け落ちた羽がいっぱい散らばっているのを見つけました。
「・・・そうだ、こいつでみんなを騙してやれ」
カラスは色とりどりの羽を拾い集め、全部自分の体にくっつけて飾り立てました。
いよいよ、コンテストが始まりました。
神さまは、あのカラスに目を止めました。
「おや、あんなに美しくて珍しい鳥がいたのか。よし、あの鳥を一番にしよう」
カラスは大喜びで、神さまの前に進み出ました。
すると、一羽の鳥が怒り出しました。
「ずるいぞ、カラスめ! わたしの羽を返せ!」
そう言ってカラスに飛びつき、くちばしで自分の羽を引き抜きました。
他の鳥たちもいっせいに腹を立て、カラスから自分の羽をむしり取りました。
するとカラスは、前よりもみすぼらしい汚い姿になりました。
人の物を借りていくらうわべを飾っても、すぐにばれてしまいます。
そして、それがばれるとよけいみじめになってしまう。
と、いうお話しでした。
おしまい
このお話しは、兵庫県三木市の作文教室の授業で使われました。
生徒の作品@ 小学1年生 あおいさん
生徒の作品A 小学1年生 こういちさん
作文教室 里山作文学校三木教室
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場所 兵庫県三木市 <奇数月の第二土曜日 朝9:30〜昼12:30>
会費 1回券1000円 6回券5000円
通信講座 1教材2600円(5回程度の往復指導込) FAXとEmailにて
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代表 田中福雄 (元中学校教諭など)
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