福娘童話集 > ジャンル別 > 日本の感動 > かさじぞう | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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むかしむかし、あるところに、貧乏(びんぼう)だけど心優しい、おじいさんとおばあさんがいました。 おじいさんとおばあさんは、二人でかさを作りました。 「かさは五つもあるから、もちぐらい買えるだろう」 雪はだんだん激しくなったので、おじいさんはせっせと道を急ぎました。 村はずれまで来ると、お地蔵さま(おじぞうさま)が六つならんで立っています。 「お地蔵さま。雪が降って寒かろうな。せめて、このかさをかぶってくだされ」 でも、お地蔵さまは六つなのに、かさは五つしかありません。 そこでおじいさんは自分のかさを脱いで、最後のお地蔵さまにかぶせてやりました。 「まあまあ、ずいぶん早かったですねぇ。それに、おじいさんのかさはどうしました?」 「まあまあ、それは良い事をしましたねえ。おもちなんて、なくてもいいですよ」 ♪じいさんの家はどこだ。 おじいさんがそっと戸を開けてみると、おじいさんのあげたかさをかぶったお地蔵さまの後ろ姿が見えました。 おしまい |
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