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やぶいしゃ
(イソップどうわ)
にほんご ・ えいご ・ にほんご & えいご
ひとり の やぶいしゃ が、びょうにん を しんさつ しました。
ほか の いしゃたち は、
「この びょうにん は たいしたこと は ないけれど、すっかり なおる には じかん が かかる」
と、いっていた の ですが、この やぶいしゃ だけ は、
「おきのどく だが、この びょうにん は あす まで いきられませんな。
かくご を きめる ほう が よいでしょう」
と、いって、かえっていきました。
それから しばらく たって びょうにん は おきられる よう に なり、
まだ かおいろ は わるく あし も ふらふら していましたが、そと に でる こと が できました。
ふらふら と あるいて いますと、むこう から いつか の やぶいしゃ が きました。
「やあ、こんにちは。じごく の ひとたち は、ごきげん いかがですか?」
と、やぶいしゃ は あいさつ しました。
すると びょうにん は、すまして こたえました。
「みんな、のんびり やっていますよ。
ごぞんじ の とおり、このよ と じごく の あいだ に ある じごく の かわ の みず を のめば、なんでも わすれて しまいますからね。
ただ さいきん、しにがみ と じごく の だいおう ハデス が、いしゃ は けしからん と、ひどく はら を たてて いました。
『いしゃ が いる おかげ で びょうにん が しなない ので、じごく が ふけいき に なる』
と、いう の ですよ。
それで しにがみたち は ぜんぶ の いしゃ を やっつけようとして、いしゃ と いう いしゃ の なまえ を かきとめて いました。
あなた の なまえ も かこう と しましたから、わたし は おおいそぎ で ふたり の かみさま の まえ に ひれふして、
『この ひと は ほんとう の いしゃ では ない から、たすけて あげてください』
と、おねがい した の ですよ」
この おはなし は、くちさき ばかり たっしゃ で びょうにん を なおす こと を しらない いしゃ を やっつけて います。
おしまい
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