アリ に さされた おとこ と ヘルメス
あるひ、いっせき の ふね が のっていた おおぜい の ひと と ともに、うみ に しずんで しまいました。 それを みていた、ひとり の おとこ が、 「かみさま の やりかた は まちがっている! その ひと を ばつ する ため に おおぜい の つみ の ない ひと を しなせる なんて、まったく ひどい はなしだ」 と、いいました。 「うっ! アリ の くせ に にんげんさま を かみやがって、こうして くれる!」 すると おとこ は、たった いっぴき の アリ が さした だけ なのに、そこに いた アリ を のこらず ふみつぷして しまいました。 そのとき、ヘルメス の かみ が あらわれて おとこ に こう いいました。 「どうだ、これでも おまえ は、おまえ が アリ を さばく のと おなじ よう に、かみ が にんげん を さばく のは けしからん と いう つもりか」 この おはなし は、ひと の やりかた に もんく を いいながら、じぶん も おなじ やりかた を する ひと に きかせる おはなし です。 おしまい |
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