にひき の コガネ厶シ
ある ちいさな しま に いっとう の ウシ が いて、にひき の コガネムシ が、 その ウシ の フン を たべて くらしていました。 ふゆ が ちかづいた あるひ、いっぴき の コガネムシ が、もう いっぴき の コガネムシ に いいました。 「ぼく は、むこう の りくち へ わたろう と おもうんだ。 ぼく が いなければ、きみ は ふたりぶん の フン が たべられる からね。 そして もし、あの りくち に たべもの が たくさん あったら、かえり に きみ に もってきて あげよう」 こう やくそく して、いっぴき の コガネムシ は りく に わたりました。 ついて みると、そこには たくさん の あたらしい フン が ありました ので、そこに おちついて たっぷり たべました。 ふゆ が すぎる と、もと の しま に かえって きました。 しま に のこって いた ともだち の コガネムシ は、たずねました。 「やあ、きみ は、ずいぶん ふとって、げんきそう に なったね。 あっち に ごちそう が たくさん あったら、ぼく に もってきてくれる と いっていた けれど、おみやげ は どうしたんだい?」 そして、おみやげ が ない こと が わかると、 「ひどいじゃないか」 と、おこりました。 じつ は ね、あっち の りくち では、いる あいだ は いくら でも たべる こと が できる けど、なに ひとつ そと へ もちだす こと は できない こと に なって いるんだ」 と、すまして いいました。 おしまい |
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