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ぶんぶく茶がま

ぶんぶく ちゃがま

(にほんのむかしばなし)

♪Reading in Japanese
音声 スタヂオせんむ



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 むかしむかし、ある ところ に、びんぼう な ふるどうぐや が いました。



 あるひ の こと、ふるどうぐや は いっぴき の タヌキ が、ワナ に かかっている のを みつけました。

 ふるどうぐや は かわいそう に おもって、その タヌキ を ワナ から たすけて やりました。



 つぎ の ひ の あさ、きのう の タヌキ が ふるどうぐや の ところ へ やって きて いいました。

「きのう は、ほんとう に ありがとう ございました。

 おれい に、よいこと を おしえましょう。

 となり むら の おしょうさん が ちゃがま を ほしがっています から、ちゃがま を もって いけば よろこびますよ。

 わたし が ちゃがま に ばけます から、もっていって うって ください」

 そう いう と タヌキ は くるり と ちゅうがえり を して、すばらしい きん の ちゃがま に ばけました。



 さっそく ふるどうぐや が、ちゃがま を もっていく と、

「うーん、これ は みごと!」

と、おしょうさん は タヌキ の ばけた ちゃがま を たいへん き に いった ようす で、とても たかい ね で かいとって くれました。



 さて、あたらしい ちゃがま を て に いれた おしょうさん は、こぼうず に、

「この ちゃがま を、あらって きなさい」

と、いいました。

「はい」

 こぼうず は さっそく、うら の かわ へ いって ちゃがま を ゴシゴシ と あらい ました。

 すると ちゃがま は、

「おい こぼうず。もっと やさしく あらって くれ。しり が いたくて たまらん」

と、しゃべった の です。

「うひゃー、ちゃがま が しゃべった!!」

 びっくり した こぼうず は あわてて おしょうさん に この こと を はなしました が、おしょうさん は しんじて くれません。

「なに を ばかな。ちゃがま が しゃべる はず なかろう」

「でも、ほんとう なんです」

「まあ よい。それより つぎ は、おゆ を わかして おくれ」

 そこで こぼうず は いわれる まま に、タヌキ の ばけた ちゃがま に みず を いれて ひ に かけました。

 すると ちゃがま に ばけた タヌキ は、びっくり です。

「あちちちち! おしり に ひ が ついた!」

 タヌキ は いちもくさん に、やま へ にげて いきました。



 その よる、タヌキ は また、ふるどうぐや の いえ に やってきて いいました。

「ふたり で、まち へ いきましょう。

 わたし が つなわたり を します から、ひと を あつめて くださいな」



 つぎ の ひ、ふるどうぐや と タヌキ は まち へ でかけて、しばいや を かしきり ました。

「さあさあ、よ にも めずらしい、タヌキ の つなわたり だよ」

 いりぐち で ふるどうぐや が おおごえ で いう と、

 タヌキ は つな の うえ を きよう に わたり ながら はらづつみ を うったり うたったり します。

「これは、めずらしい。なんて、おもしろいんだろう」

 タヌキ の つなわたり は だいひょうばん と なり、まいにち おすな おすな の おおにぎわい です。



 こうして ふるどうぐや は タヌキ の おかげ で、おおがねもち に なった と いう こと です。

おしまい

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