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        けち 
      (えど こばなし) 
      
      
 
         
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       むかしむかし、ある むら に、たいそう けち な ていしゅ が いました。
       
 
 けちもけち で、その けちぶり は、あたり の むらむら で だれひとり しらない もの は いないほどでした。 
 
 ある ひ の こと、ていしゅ は ろうか で くぎ に あし を 引っかけました。
 
 
 みてみると、ふるい くぎ の あたま が でています。
 
 
 ていしゅ は にょうぼう を よぶと、
 
 
「おい。となり へ いって、かなづち を かりてこい。
 
 
 さんねん まえ に いちど、はかり を かしてやったこと が あるで、まさか いや とは いわんじゃろ」
 
 
 にょうぼう は さっそく となり まで いきましたが、いつまでたっても もどって きません。
 
 
 しばらくして やっと、かえってきた と おもうと、
 
 
 「ねえ、あんた。なに に つかうかと きかれたん で、『 くぎ を うちこむんです 』 と いう と、
 
 
『そんな もん うたれたら、かなづち が へって しまうだろう 』 と、いうんですよ」
 
 
「なにだと、とんだ けちやろうだ!
 
 
 ・・・そんなら しかたない。もったいない が 、わがや の かなづち を つかう と するか」
 
              おしまい       
        
         
         
        
        
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